33歳のボクサー・石川浩久選手について 絶対に勝ってくれ!! | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

 …HIGEGE91は「風景」と「場所」を探し、予算と撮影スケジュールを作る「映画」の仕事をしているわけだが、最近はきつい。運動不足である。わかってはいる。…が、車で目的地に向かい、車の中で考えることが多いので、どうしようもない。似ている職業と言えば、やはり「タクシードライバー」…であろうか?

 仕事をしていて、圧倒的な体力の低下を実感する局面が最近は頻繁である。仕事柄、僕は毎日車で動く。電車はほとんど乗らない。ボクシングを観戦しに行くときぐらいなものだ。僕は「映画」の製作に関わる仕事をしている。それは俗に「現場」と呼ばれる。工事現場の「現場」…に近い。映画作りとは、肉体労働の要素が強い。気の遠くなるような機材の山…。ロケーションとは、毎日が「夜逃げ」のような状況である。下ろしては積み込み、撮影して、積み込んではまた下ろす…。東京は全く撮影には向かない。目的地の前に車も止められない。荷下ろしだけでもえらいこっちゃ…である。「完全なるアナログ」作業は不滅である。ライトの灯体はトラックで運ばなければならないし、キャメラ本体がいくらデジタル方式が主流になっても、三脚は広げなくてはならないし、重くてかさばり続ける。…話が逸れたが、とにかく、身体がいうことをキカナくなってきてる…ってことだ。

 元日本バンタム級1位 石川浩久

 …で、つい最近、僕の同郷の同級生が未だ現役で、10月に後楽園のリングに上がるらしいことをネットで見かけた。…33歳。元日本バンタム級1位・石川浩久選手(国分寺サイト-ジム)だ。この年齢のボクサーで有名な選手と言えば、あの沖縄の豪腕ファイター・仲里繁だ。

がんばれ仲里、三十路の星!! …いい写真だなぁ 仲里!!


 仲里は3度の世界挑戦を果たすも世界王座獲得は果たせなかった。しかし、「心」の中に、そして、ボクシングファンならずとも人々の「記憶」に残る名勝負を作ったボクサーだ。そんな仲里は3度目の挑戦に敗れた後(…過去記事参照・凄いラストファイトであった)引退を表明、某ボクシング雑誌でその後が記事になっていた。…沖縄の地で、彼は建物や家屋を建てる際の、不発弾や爆発物がないか調べる仕事をしている…という記事を読んだ。未だに戦争の傷跡がこうもはっきり残っている事実も衝撃だが、元日本王者・元東洋太平洋王者で、3度の世界王座挑戦者であり、あのオスカー・ラリオスの顎を割った男でも、仕事はしなければならない。確か2人か3人の子供の父親でもあったはずだ。ボクサー稼業は厳しい。日本王者でも生活が厳しい…と言う話は良く聞く。


 そして、僕の同年代である33歳のボクサー・石川選手はどうか?彼の近況を僕は知らない。ただ、現役である…という事実以外、僕は彼のことを知らない。シゴトはあるのだと思う。しなければ食べていけない。結婚しているのだろうか?子供とかいたりするのだろうか?身体に故障はないのか?そして、なんの為に「闘い続ける」のだろうか?


 この問題はこのブログを書く意味で、『究極』のテーマの一つである。先日のダブルタイトルマッチで目撃した、横浜アリーナでの西岡利晃選手のリングを見つめる背中もそうであったが、どんな表現も「陳腐」で「嘘っぽい」ものになってしまう…。観ている側としては、ただ、「がんばってくれ、俺はちゃんと見ているからな、焼き付けるからな、頼む、勝ってくれ!!」…としか形容の出来ない感情が基本的には全てである。


 元日本1位の肩書き…。これは重い。チャンピオンまで、あと1歩である。ボクシングを丹念に観ないと、この日本王座というものの「壁の厚み」は理解できないかもしれない。世界戦でさえ「深夜放送」の時代である。華やかな「新興格闘技」の影にさらに追いやられてしまった感のある「日本王座」…。しかし、リングの上は熱い。激戦である。命懸けである。石川選手の戦歴を辿ってみる。

 …31戦16勝5KO8敗7分。がんばったんだなぁ。1972年生まれ。そうかぁ。デビュー1993年。そして、目に止まるのは「引き分け」の数だ。よしと出来ない、あと1ポイント…、あとパンチ1発当てられてたら…。悔いの残る試合も数多かったのだろうなぁ…。その対戦相手の中には中島吉兼や、鳥海純といった強豪も含まれている。後の日本王者・東洋太平洋王者・世界ランカーたちである。中島吉兼は引退した。鳥海純は再起戦が決まった模様であるが、東洋王座は初防衛で失敗。じりじりと上げた世界ランクも失った。リングの上は本当に弱肉強食だなぁ。きういなぁ。…で、石川選手は2人それぞれに敗れているようだが、がんばり続けている。どうしても勝って欲しい。絶対に勝って欲しい。


 そこで、対戦相手の池田光正選手をちょっと調べてみよう。

石川選手の対戦相手 池田光正

池田正光(花形ジム)戦績23戦13勝9KO7敗3分…。で、74年生まれ…って池田選手も31歳ってこと!?…ああ、そうなんだ。池田選手も「三十路ボクサー」なんだ。…試合後にしたいこと…「コーラの一気のみ」。グッと来るなぁ、なんだか…。夢は「世界チャンピオン」だって書いてあった。…もちろん、どちらも応援したい。…が、池田選手には申し訳ないが、一緒に少年剣道を習ったことのある石川選手だ。


 10月11日 後楽園ホール クラッシュパンチシリーズ 第158弾 午後18時開始 テレビ中継無し


 「夢」だとか、「あんな自分になるんだ」とか、「こんな生き方をするんだ」とか、みんな忘れかけてる。そんな「三十路」人って結構多いと思う。僕もそうだ。この2人の「燃焼」は見逃せない。同世代の人間として、是非、そのリングの傍で「目撃」させて貰う。そして、考えさせて貰う。悩ませて貰う。なにかちょっとだけ、生まれ変わらせてもらおうと思う。


 …さらに、日本を代表する中年の星、西澤ヨシノリが東洋太平洋のベルトに挑む。38歳だっけか?前回は残念だったが、階級を1つ下げてのスーパーミドルでの挑戦となる。対戦相手はピーター・ミトレフスキー(豪州)同級東洋太平洋4位だ。…ってことで、これは王座空位の決定戦だ。これが10月18日…ってことは、10日に内藤VSポンサクで、11日に上記の三十路対決で、さらに、中年の星「西澤ヨシノリ」が18日ってことは…、あ、サーシャ・バクティンのV8戦も17日にあって、その対戦者の立木昌祥選手は「30歳」の叩き上げで…。がぁぁぁぁ!!


 シゴトできない…。


つづく