33歳 石川浩久、3-0完封勝利!! ヨッシャ!! …でも、絶叫しすぎて「頭痛」です… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

明日のスポーツ新聞より早く、記事書きます。それがHIGEGE91の使命(…しかし激しい頭痛)!!


 10月11日 後楽園ホール クラッシュパンチシリーズ 第158弾



石川浩久(国分寺サイト-ジム)31戦16勝5KO8敗7分…。72年生まれ 元・日本Sバンタム級1位



VS



池田正光(花形ジム)戦績23戦13勝9KO7敗3分…。74年生れ



石川イン後楽園ホール

 

 ついに来た。石川浩久の後楽園ホール!! HIGEGE91は同郷の幼馴染、友人2人に声を掛け、今日のリングを迎えた。それぞれにまだ子供、学生だった「石川浩久」には想い出がある。特に、中学の剣道部で3年間一緒に汗を流し、進学した高校も同じ学校だったという「M・W」は感慨深いものがこみ上げたことであろう。


彼は今や1児の父親で、「自分の命なんかより、娘の方が大事に決まってるだろ?」などと真顔で言い切るスキンヘッドのグラフィックデザイナーである。さらに、HIGEGE91バンドのドラマーで、電気設備会社に勤務する「Y・T」(彼もまた1児の父)は、「もう、コウジとケンカしても負けねェダロ」などと冗談を言って笑った。そうか、石川って結構ケンカしてたっけ…(地元ネタでスンません)などと昔話に花が咲く。


 

テレビ中継がないから、「今この瞬間」にホールにいないと観れない試合。そういう興行が結構ある。気になる選手は生で見ないと駄目。…で、実はこういう興行が意外と盛り上がったりする。観客席には空席も目立つし、自分のお目当ての選手の試合が終わったら帰っちゃう観客も多いが、今夜は大盛り上がりだった。

ちょっと前に、高橋巧の再起戦を観にいったが、やっぱりそんな感じ。超満員でなくても熱いものは熱い!!


 

僕は石川とは同じクラスになったことはない。…が、少年剣道で一緒に汗を流した。あと、石川とは「音楽」の話をたまにした。彼は「ハードロック好き」だったような、そんでギターを始めた彼とギターの話をしたような…。申し訳ないが「記憶」が鮮明なわけではない…が、その顔、その気の強さははっきりと印象として残っている。親密ではなかったが、声を掛け合う中ではあった。蘇るのは、『負けず嫌いな石川』であった。高校が別々になったので、その後は疎遠になった。でも、全日本新人王の決勝戦は応援に行った。もう10年も前のことだ。残念ながら後楽園ホールで石川は破れた。


…その後もきっちりと応援し続ければよかったのだが、HIGEGE91も二十歳過ぎで、好きな映画の世界に飛び込み、自分の生きる道を模索するのに必死だったせいもある。僕が「頭がおかしくなるほど」ボクシング熱が燃え出したのはここ2年くらいなので、残念ながら石川浩久選手の「全盛期」を僕は知らない。不意に見つけた今月号のワールドボクシングの試合予定記事で彼の名前を発見し、申し訳なさも感じるも、先の見えた情けない自分を慰めてもらう為ではないが、石川選手の奮起に『喝!!』を入れてもらおうと、後楽園にやってきたのだ。


 

 33歳…。僕は何を成し遂げたか?まだ何も成し遂げてない。仕事は…?ぼちぼちだけど、今の自分に満足はしてない。努力が足りない。もっと本当に好きなことは…?趣味でバンドやってるけど、歌も作るし、その辺の奴には負けないくらいブルージーなギターを弾く自信はあるけど、それで?書きかけの小説の結末は?…答えが見つからない。僕は一体、どこの誰で、果たしてナニモノなの?…ぜんぜん分からない。…何の為にココにいるの?…どうしてなんだろう?…仮に、今死んだら満足できる?…本当に「悔い」がなかったと、胸を張って終わりを迎え入れられる…?


…いいえ、迎え入れられません


 …石川浩久、33歳、右ボクサーファイター。君が作り続けているもの、君が成し遂げようとした世界、そして、今の君を見せて貰います。僕には勇気がないからなかなか自分を見つめられないけど、厳しい目線で常に自分自身を、そして、グローブを構えて腕を振り上げる誰かと自分を、まるで「求道者のように」見つめ続けてきた君の勇姿と、君が生み出そうとするものを、今夜は見せてもらいます。


両選手入場。先ずは青コーナーから池田選手。彼も31歳。ボクサーとしては「斜陽の時期」と言っても過言ではない。それは石川選手にも言えることだが、それでも闘い続けるには理由がある。それぞれに背負ったものがある。そういう意味で、この試合は両者にとって非常に「重要」な一戦であることには違いない。しかし、池田選手陣営は応援に「若いギャル」が多く(たくましく大声は張り上げてかわいかった)、池田グッズ(ネーム入りマフラータオル)をロビーで販売していたりと結束感がある。池田選手は明るくて人の良さそうな印象。そうか、人気者なのは性格がいいからだろうな。入場から盛り上がる。対する赤コーナーから入場の石川に合わせて、ハッピ姿の応援団が登場!!…会社の仲間?…老いも若きもって感じでこちらはこちらで盛り上がる。HIGEGE91とその仲間は南側自由席から移動して、赤コーナーんなるべく近い指定席ゾーンに進入。大声を出した。


「イシカワー!!」


石川選手は落ち着いていた。タオルを1枚頭から被り、黙々とリングに上がった。それは、「あしたのジョー」の対力石徹戦で特訓の傷を隠して入場した矢吹丈のような「渋さ」だった。ベテラン…。まさに、ベテランのいぶし銀な味わいを醸し出していた。派手に手を振ることもなく、精悍で、気合の入った表情…。


R1 カーン!! 石川はフットワークを生かして弧を描きながら、左ジャブを突き、池田はガードを固めて前へ出る。石川が距離を保ち、池田が追う展開。…お、鋭い左をきっかけに距離が縮んだ瞬間、石川のコンパクトな連打のショートがパパパーン!!と決まる。1,2,3,4…ってな感じ。いい。これがコンビネーションだ!!って見本のような連打だ。重くはないが確実にポイントになる巧打。ファイタータイプの池田はそのパンチの重さでは石川を越える印象だが、石川が早くも足を使っての出入りの激しいボクシングを展開して、思うようにいけない様子。これはいい。出だし最高!! 石川10-9


R2 前半、流れるようなフットワークで池田を翻弄、さらにジャブから1,2,3,4…とコンビネーションを叩き込む石川。この調子だぁ!!…と、接近し、もつれたところに、丁度巧い具合に池田のパンチ?が当たり、石川、倒れてしまう。僕の眼から見たら「スリップ(足が絡まった)」だったのだが、なんと、裁定は「ダウン」!!…嘘でしょ!?…なんで今のがダウンなんだよ!?…が、石川は何もなかったように立ち上がると表情一つ崩すことなく、また、その裁定に逆らう様子も微塵も見せず、ファイティングポーズをとる。…渋い!!…思わず抗議したい気持ちが湧いてきそうなシーンだった。しかし、石川は必要以上に熱くなる様子もなく、再び自分のアウトインアウトのボクシングを展開。ダメージは全くないようだ。…しかし、恐るべき冷静さだ。さすがだと感じた。池田10-8


R 3 4 5 6 7 ココからは石川のボクシングの真骨頂をみたような気がする。距離を保ち、踏み込んでの連打、敵の大きなパンチの被弾を極力最低限にしながら、細かくヒットアンドアウェー。確かに1っ発の剛打はないが、確実にヒットさせ、身体もぶれずに「好印象」を獲得して行く。問題ない。自分のペースを作れない池田は焦りを感じていただろう。感心したのは手数とスタミナだ。落ちることのない、止まることのないフットワーク。それは「石川浩久」が10年以上の歳月をかけて「作り上げたスタイル」。体得した「勝つボクシング」の形…。確かにKO率は低い…が、戦績の7分けが示すとおり、しぶとく諦めずに闘いとおしてきた「石川流」なのであろう…。さらに、そのまとまったコンビネーションの的確さは「流石元日本1位」の肩書きに恥じない「1流」のそれであった。池田選手も逆転を狙おうと積極的に打て出てきた…が、石川のドンピシャのカウンターが随所に炸裂したし、距離感が今夜は絶妙だったので「クリンチ」も効果的に使われて、「ビッグチャンス」を作れずにいた。石川は「グラつく」こともなく、冷静に闘いとおした。この「落ち着き」はなんとも素晴らしかった。そして、もちろん果敢に打ち合う場面も多発。両者足を止めて左右打ち合ったが、有効打は石川に多く見られたように見えたし、プレッシャーでは勝ると思われた池田の必死の追い込みも、有効打をきっかけに押し返していたように思う。スタミナが切れることもなかった。観客も沸かせた。池田も良く粘った。その執念は凄まじいものがあった。しかし、終始冷静に試合を運んだ石川が獲った…。石川10-9(全部)


R8 ラストR!! 石川も池田も全力で打ち合った。観客も叫んだ。頭の中が「真っ白」になった。僕は今までに観てきたどの試合よりも叫んだ。


「ヤッチマェー!! ブッタオセー!!」(言葉は悪いが、ボクシングなので…)


…R2のダウンはあったものの、それ以外はフルマークでどのRもポイントは獲っていそうな内容だった。その気になれば足を使ってポイントアウトを狙っても良かった。しかし、石川は打ち合った。確かに、倒せそうな瞬間もあった。そこはあの懐かしい「気の強い」石川浩久と変わってはいなかった。石川10-9



カーン、カーン、カーン!! …試合終了!!




「やったどー!! 勝ったどー!!」



higege91の採点 78-73 で石川浩久選手の勝ち!!



公式の採点 …メモし忘れました、興奮のあまり…。とにかく3-0で、石川選手の勝ち-!!


石川浩久勝利!!

HIGEGE91は感動した。俺にもまだ何かできる…。まだ、あきらめない。 がんばんどー!! 


石川勝利の握手



最高の形で勝利した石川浩久よ、君もまた「旅の途中」なのだな…。33歳、33歳ってうるさかった?

でもね、きっとそのファイトに、諦めずに挑戦し続ける姿に、そして、この握り締めた勝利に、僕も観客も勇気を与えられたんだ、ありがとうございました!!


 池田選手もお疲れ様。イイファイトだったよ。たくさんの応援団の為にも、「チームイケダ」の仲間・支援者のためにも、是非がんばって下さい。とっても盛り上がってたのしかったです。


 

それから、ホールを出た三十路男3人は焼き鳥屋へ。


…おまえ、アン時、付き合ってただろ?どうして冷たくしたんだよ、Mさんに…

…うるせんだよ、過去なんか振り返ってもしょうがないんだよ…

…早く、バンドの練習しようぜ、俺、ドラム叩きてぇよ…

…新しい曲作るか、なんかできそう…


…ってわけで、小さな同窓会も、それぞれ翌日の仕事があるので、小1時間で終了させて家路に着いた。叫びすぎて頭痛がまだ止まらない。




御愛読感謝


つづく