＜ボクシング＞亀田興毅、紙おむつとおしゃぶりに激高
世界ボクシング協会（ＷＢＡ）ライトフライ級王座決定戦の計量が１日、都内の後楽園ホールで行われ、同級２位の亀田興毅、同級１位のフアン・ランダエタはともに１回でパス。ランダエタが亀田に幼児用の紙おむつとおしゃぶりを渡そうとした。この扱いに亀田は激高し、挑発し返したが、ランダエタは相手にしなかった。（毎日新聞）
以上記事抜粋
夏休みの登校日…
少年・ｈｉｇｅｇｅ９１は毎年苦しむことになる宿題を早々と片付け、さらに「亀田興毅×ファン・ランダエタ」のＷＢＣ世界ライトフライ級王座決定戦をじっくりと観ようと画板を抱えて町を歩いていた…
つまり、その宿題の内容は「写生」…
川を眺めても、山を眺めても、あるいは神社、寺院…など、あちこち眺めたが「気に入った風景」が見つからない…
ｈｉｇｅｇｅ９１「…ああ、困ったなぁ、早く片付けないと亀田興毅に集中できないよ!!!」
…と、そんな困惑したｈｉｇｅｇｅ９１の横を通りかかった１台の車。
キキイーッ!!!
車、不意に急ブレーキをかけて止まる。
ｈｉｇｅｇｅ９１「・・・・!?」
…と、その車から顔を出したのは担任の先生ではないか!?
先生「…あら、ｈｉｇｅｇｅ９１クン、画板なんか抱えてどこへ行くの？」
ｈｉｇｅｇｅ９１「先生、もう海に行ったんですか!?」
先生「…!? なに、どうして!?」
ｈｉｇｅｇｅ９１「…こんがり日焼けして、まさか、僕のお嫁さんになる身なのに、４組のイケメン顔黒先生と!!!」
先生「…（ど、どおしてこの少年は徹底的にバカなのかしら？）」
先生、車から降りると自分を睨みつけるｈｉｇｅｇｅ９１の手から画板を奪い、その画板の中から画用紙を抜き出す。
先生「さぁ、採点してあげる!!!」
ｈｉｇｅｇｅ９１「あ、やめて、やめてょー!!!!!」
…!?
ｈｉｇｅｇｅ９１「…う、う、うわーん!!!」
先生「…こ、これは一体、な、な、なぁに!?」
羞恥心に苛まれ、また、酷い自己嫌悪の渦に巻き込まれたようなｈｉｇｅｇｅ９１は、小刻みに震えている…
ｈｉｇｅｇｅ９１「…お、お、おぉむ、「おむつ」をはいた、か、亀田興毅選手です」
先生「…ここのマッチ棒のような丸刈りのボクシンググローブをはめたボクサー？…が、亀田選手？」
ｈｉｇｅｇｅ９１「そ、そうです、こ、今夜対決するファン・ランダエタが計量時に亀田選手に「紙おむつ」と「ベネズエラ製おしゃぶり」を送られたってニュースを聞いてからもう亀田選手が「紙おむつ」をして「おしゃぶり」をしている姿が頭から離れないんです!!!!」
先生「…あ、そ、そう、でも、先に挑発したのは興毅選手よね、ファン・「ベイビー」・ランダエタ…のニックネーム（ベイビー）にちなんで『キューピー人形』を送ったのよね。…でもね、これは大したことないのよ、あなたはそんな「紙おむつ」」の心配なんかしなくていいのよ…」
ｈｉｇｅｇｅ９１「ど、どうしてですか!? 気になります!!!!」
先生「…いい？ 人生は長いようで短いのよ、わかる？…つまり、興毅選手が「紙おむつ」をする姿を想像するんじゃなくて、ＷＢＡの黄金のチャンピオンベルトを想像してあげなくちゃダメじゃないの!? あれこれあるけど、これまでの経緯はともかくとして応援しなくちゃっぁ そりゃぁ、納得できないこと、あるわよ、あたしにだってぇ…（前世界王者・バスケス返上の偶然性、 階級下の格下選手をＫＯしまくり!!!でのランキングアップ術、 ＯＰＢＦ王座も初防衛もせずに返上… ハードパンチャーとの対決は皆無…、俗に言う接戦・激闘の経験値、圧倒的な技巧派テクニシャンとの相性、純然たるライトフライ級ランカーを差し置いてのミニマム上がりのランダエタとフライから階級を落とした１位と２位同士での王座決定戦で戴冠しても「世界王者」!?…等々）、でもね、紙おむつのことばかり考えちゃダメ、ベネズエラ製のおしゃぶりのことばかり考えちゃダメ!!! 無駄よ、そんなの…、演出よ、この国民的な「世界タイトルマッチ」を盛り上げる為の戦略よ、問題はその闘いなのよ…!!!」
ｈｉｇｅｇｅ９１「…でもぉ」
先生「でもじゃないの!!! 先生は序盤が「鍵」だと思うわ、興毅は例によってガードを固めてジワジワ接近、ここで右のジャブが数多く繰り出されることを願うわ、ランダエタは序盤が強い…って言われているのよ、ここで「刺し込まれる」と痛い展開になるわ。そのスタミナ難を指摘されるランダエタ…だけどこの大舞台で序盤から勢いに乗ったらスタミナ難なんて無関係よ、逆に興毅はキッチリとパンチを当ててランダエタを先ずは遠ざけたいくらいよ、そして、得意の左右ボディーフック、左ストレートカウンターで迎撃、チャンスが来たら例によって連打ラッシュ…もいいけど、接近戦での乱打戦のタイミングを間違えると危険だわ、ランダエタはミニマム級にあってもＫＯ率高いのよね、階級差は有利な要素になっているけど、カウンターのタイミングと角度がドンピシャになったら「一発」で試合が終わってしまう可能性だってある…ってことは、勝負の山場を中盤～終盤に差し掛かる８Ｒ以降かしら…。この段階で目一杯ボディーを弱らせておきたいわ、勝負はここよ!!!!」
ｈｉｇｅｇｅ９１「…ふうん、でも、興毅選手、アッパー喰ったらやばいよね、ランダエタ、新井田戦を見た限りではスタミナ落ちなかったし、手数も旺盛だったし、当てるのウマカッタよね…、で、左アッパー、これは脅威だと思うなぁ…、大丈夫かなぁ…」
先生「…大丈夫…のはずよ、その対策は練れているはずよ、なんたって大晦日の「レコード大賞」の放送『枠』さえ変えさせてるのよ、想像したくないけど、確実に勝つ勝算が、また、何らかの「保証」があるのか!?…って思わず素人でさえ疑ってしまうほどの加熱振りでしょ!? …もちろん、これは『想像』の話よ、この神聖なる世界王者を決めるリングでそんなことはあるはずはないわ、でも動いている思惑、大金、その「亀田錬金術」に夢中になっている企業は数知れず…、負けたらえらいことよ、さらに、ボクシングそのものへの一般のイメージは相当な打撃をこうむる結果になってしまう…、あたしはこれが一番恐いことだわ、頼むから勝ってくれ!!!! って気持ちよ。せっかくの「新ボクシング黄金期」…が、失墜するのは悲しいことだわ…」
ｈｉｇｅｇｅ９１「…でも、ぼくはよくわからないんだ」
先生「紙おむつのこと？」
ｈｉｇｅｇｅ９１「違うよ、『プロボクシング』と『亀田3兄弟』の溝のことだよ、両者の間には大きな川が流れちゃってるんだ、亀田人気＝ボクシング人気再興ではないし、その異常とも言える注目と世間へのアピールは辰吉選手以来だとは思うけど、朝のワイドショーでさえその実力に不信感を抱かせるような特集を組んだり、なにがなんだかわからないんだよ、僕は実力を評価してるさ、だって、パンチ強いし、アランブレットはミニマムだったけど技巧派としては世界１流…だったし、でも、ボウチャン、ファハルド戦はなんとも言えない…とはいえ両者とも他の日本人が戦ったら倒せない可能性結構あるとも思うけど…」
先生「…なぁに言ってるのよ、この際、その『経緯』は忘れなさい!!!って散々言ってるでしょ!? とにかく観ればいいのよ、そんで結果を受け入れるしかないのよ、この世界タイトルマッチはただのＷＢＡライトフライ級タイトルマッチではないわ、今後の日本プロボクシング…への評価の分かれ目でもあるのよ!!!興毅選手が話題づくり優先の作られたカリスマ…なのか、そうでないのか!? そして、一般の方々の目にどう映るのか？ …人気と影響力、圧倒的な話題性は絶対なだけにおかしな結果、不可解な結果…はボクシング全体に向けられた「視線」に必然的に重なってしまう部分は大きいと思うわ。そういう意味では『ＫＯ勝ち必修!!!』だけど、敵は元暫定世界王者、一筋縄ではいかないでしょうね、でも、これだけの注目を浴びている以上、さらにこれだけ注目させた以上、その責任はあるとも思う。本人はまだ１９歳だし、それを強いたのは環境であるけど、興毅選手は言うまでもないけどその中心人物…ってこと。それを受け入れ、さらに跳ね返すだけの「心の強さ」を評価する声は多い、その部分には逆に期待したいわ…」
ｈｉｇｅｇｅ９１「…複雑だよ、僕にはわからないよぉ!!!」
ドシュッ!!! バキ!!!!
先生、ネチネチとぶつくさ言うｈｉｇｅｇｅ９１の顔面に右ストレートを放つ!!!
先生「ばか、あんたバカよ!!!」
ｈｉｇｅｇｅ９１「…せ、せんせい」
ああ、ｈｉｇｅｇｅ９１の鼻からはおびただしい出血… 前歯も根元から折れてしまったようだ…
先生「男ならどーんと見据えんかい!!!!」
Ｈｉｇｅｇｅ９１「・・・（鼻の骨、折れてるかも、あーぁ、前歯飲み込んじゃったよ、これ「さし歯」にするしかないんだろうなぁ…）」
先生「…よし、『いい目つき』になってきたわね」
ｈｉｇｅｇｅ９１「…（痛みで涙が止まらないよ…）」
先生「さぁ、今夜はぜひとも『生放送』で観たいわ、その高視聴率獲得に貢献するわ!!!! あたしも一緒に戦うわ!!!」
…と、先生、車に乗り込むと「バ-イ!!」と走り去って行く…。
ｈｉｇｅｇｅ９１「・・・あ」
少年・ｈｉｇｅｇｅ９１の描いた「紙おむつ」をした興毅選手の『絵』がタイヤに踏みにじられ、見るも無残に破れている…
ｈｉｇｅｇｅ９１「…ぼ、ぼくにはわからないよぉ」
ｈｉｇｅｇｅ９１のつぶらな？瞳から涙が一粒零れ落ち、それは興毅選手の「紙おむつ」の上に落ちたのであった…
さぁてと、とにもかくにも、今夜は楽しみだ。
御愛読感謝
つづく