次の日本人世界チャンピオンは誰だ…!? | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

あるボクシング狂の方とお酒を飲んだ際、こんな話になった…


坂田健史が負けた… 小堀祐介が負けた… 日本を代表するボクサーの世界王座陥落が続いていた…


あるボクシング狂「…しかし、ふと思ったんだけど、坂田や小堀に続く、『次の日本人世界チャンピオン』って誰が一番可能性が高いかなぁ…って考えて、あれぇ…?ってなっちゃったんだよね…」


僕「…っていうと?」


あるボクシング狂「…つまり、こいつは絶対に世界チャンピオンになるなぁ…って期待を抱かせるボクサーが、ちょーっと最近少ないかなぁ…って思っちゃったんだけど、そういう感じしない?」


僕「…ん?」


あるボクシング狂「…どう?そんなことない?」


僕「…うぅぅむ、言われてみれば…って、じゃぁ、ちょっと階級別に考えてみる?」


あるボクシング狂「…のぞむところだね、ミニマムだけれど、日本と東洋の同時戴冠を果たした黒木選手だけれど、オーレイドンなら攻略できそうな感じするんだけど、こう言ったらなんなんだけど、『線が細い』っていうか、トリッキーなサウスポーっていうんで好きなのは好きなんだけれど、強い世界チャンピオン…って感じにはなれないかもなぁ… あ、やっぱり、新井田さんや大橋さんとどうしても比べちゃうんだよなぁ… ごめん、これは好みの問題もあるし、別に最軽量級を蔑視しているわけじゃ無いんだけれど、『期待度』って意味では僕は複雑なんだ…」


僕「…三澤選手も引退しちゃったし、和賀選手はダウン奪っただけで実力差を露呈して黒木選手に判定負けしちゃったし、黒木選手返上後の日本チャンピオンはこれから決定戦だしなぁ… 残る実力者は高山選手だけれど、黒木×高山なんて実現したらかなり興奮のカードだと思うけれど… しかし、WBAはゴンザレスだから厳しいよなぁ… 狙うならオーレイドンかパラシオス… ミニマムがなんと言っても一番『世界』は近いし期待できるけれど…」


あるボクシング狂「…そう、一番世界は近いけれど、近い分だけ僕個人は燃え上がれないんだ、すまない」


僕「…あやまる必要はないけど」


あるボクシング狂「…ライトフライ級は日本チャンピオンが嘉陽選手で東洋太平洋が和田峰選手なんだけれど、和田峰選手は観たことがなくてなんとも言えなんだけれど、キャリア実績から言って嘉陽選手がやっぱり国内ナンバー1だとは思うんだけれど、しかし、嘉陽選手が世界を獲れるか…っていうと、ちょっと遠いと思うんだ…」


僕「…確かに、いつかのワンディー戦、WBC世界ライトフライ級暫定タイトルマッチの完敗のイメージ残ってるし、その後の日本王座防衛戦は接戦の負傷判定が続いてるからなぁ… 最新の指名試合は会心のKO防衛だったみたいだけれど沖縄開催で観れて無いしなぁ…」


あるボクシング狂「…フライ級は注目だけれど、WBCチャンピオンの内藤選手はこれから試練の連続指名試合って言われてるから日本人選手の挑戦はあまり期待できないとして、さて、坂田選手を2RTKOで屠ったデンカオセーンに挑んで奪取しそうな日本人…って意味では日本チャンピオンの清水選手の『巧さ』がもっとも攻略達成の可能性が濃いとは思うんだけれど、でも、ここ一番の勝負強さに関してはまだ未知数だと思うんだ… 確かにこの前の五十嵐戦は巧かったし攻め込んでもいた… でも、世界となるともう一皮剥けて欲しいと僕は思うんだ… で、東洋太平洋チャンピオンの大久保選手はドロドロの戦いにチャンピオンが付き合ってくれることが善戦の条件だと思うんだけれど、なんていうか、特化した武器が足りないような気がしちゃってるんだよな…


僕「…ふぅむ、あれが抜けてるよ、亀田興毅選手が…」


あるボクシング狂「…彼はいいんだ、興味ないんだ、僕は」


僕「…次はスーパーフライ級だけれど、WBAチャンピオンの名城選手がいるんだけれど、どうも世界的な統一戦の盛り上がりに乗り遅れちゃって心配だよね、次の防衛戦の噂話さえ全く聞こえてこないし… あ、まぁ、それはそれとして、この前日本チャンピオンになった中広選手は期待できそうだけれど、まだ、もうひとつ期待しきれない段階なんだ、僕の中では… 鋭さとセンスは群を抜いてると思うんだけれどなぁ… 名城選手と戦ったらもしかしたら王座戴冠の可能性あると思うんだけれど、逆に言えば、ダルチニャンやモンティエルみたいなチャンピオンと戦ったら…って想像すると、ちょーっと厳しいそうだよな、あ、モンティエルはWBOだけれど、例えば、ミハレスやムニョスと戦ったら…って考えると、ちょーっと厳しい感じしちゃう… あとは名城選手に負けた河野選手がなんと言っても実力者だけれど、手数と勢いは認めるけれど、このラッシングが通じなかった場合…ってどうしても考えちゃうし、名城選手に通じなかった…って思うと、微妙だと思うんだ…」


僕「…厳しいですなぁ」


あるボクシング狂「…僕は厳しいよ、だって、応援する側だって神経すり減らしちゃうんだから、厳しく見つけるよ… で、東洋太平洋チャンピオンは冨山選手だけれど、河野選手みたいな『勝負魂』の充実はまだ見えてこないのが正直な気持ちなんだ…」


僕「…バンタム級は?」


あるボクシング狂「…日本チャンピオンの大場選手は確かに逸材だよね… 実は、一番期待しているのは彼なんだけれど、最近のダウン癖は気になるねぇ… あれが世界戦のリングだったら絶対に倒されていると思う… WBCチャンピオンの長谷川選手は充実期に入ってるし、彼ならあんな場面があったっら絶対に見逃さないでしょ!? 東洋太平洋チャンピオンになったサーシャが巧いのは間違いないけれど、僕の見解なんだけれど、あれは『強い』ってのとはちょっと違うと思うんだ… 倒せるボクシングをもーっと魅せてくれないと期待感が盛り上がらないんだよね… 前の東洋太平洋チャンピオンのロリー松下は確かに強いけれど、WBAチャンピオンのモレノには判定で完敗だったんだよね… 世界レベルの技巧とはやはり差があるんだろうなぁ… サーシャならば…とも思うけれど、でも、正直、サーシャの巧さは解るけれど、『強さ』ってのが僕にはまだ肌で感じられないのが正直な気持ちなんだ…」


僕「…厳しいですなぁ」


あるボクシング狂「…スーパーバンタム級だけれど、日本チャンピオンの三浦選手の頭脳戦とハイスピードは今度戦う元日本チャンピオンの木村選手と現時点では五分だと思うんだ… 前の日本チャンピオンの下田選手のスキルの高さは抜群だけれど、どうも伸び悩んじゃったよなぁ… で、WBCチャンピオンの西岡選手が君臨してるけれど、この3名では僕は、まだ勝てないんじゃないか…って感じてる 西岡選手の最近の強さは倒そうとするボクシングの実践だと思うんだけれど、これはかなり際どい場所で実践されていると思うんだ… 計算高く戦っているようには見えない… この域での戦いに追従できる選手は日本にはいないんじゃないか…って僕は感じてるけれど… バスケスやカバジェロと戦える選手ってことだからねぇ…」


僕「…ふぅむ」


あるボクシング狂「…フェザー級はなんと言っても粟生選手と榎選手だけれど、僕は榎選手の方が世界に近いと感じてる… 捨て身の戦いを見事に結実させたWBAチャンピオン・ジョンとの戦いは輝いてたし、それと比べると粟生選手は残念だけれど『芯の細さ』が見え隠れしてると思うんだ… 日本チャンピオンの松田選手はその苦労人振りが大好きなんだけれど、『線が細い』って僕は感じてるんだ… 東洋太平洋チャンピオンの細野選手の爆発パンチは魅力的だけれど、現時点ではその一発が当たらなくちゃ突破口が見えてこない…って戦いになっちゃうと思うんだけれど、これは厳しいよねぇ…」


僕「…厳しいかぁ」


あるボクシング狂「…そういう意味ではスーパーフェザーの日本チャンピオン・矢代選手は興味深い存在だよねぇ… あの鞭のようなジャブに槍のようなストレートは驚異的だよね、手数も多いし、技巧派チャンピオンと戦っても見劣りしない戦いを見せてくれそう… それにいつでもKOの可能性を充分感じさせてくれるし… でも、いつかの松崎戦で垣間見せた『気の弱さ』っていうのは正直まだ存在しているのだと思ったなぁ… 流血して動揺が表に出ちゃったよね… あれが解消されたら間違いないと思うんだけれど… 東洋太平洋チャンピオンの内山選手は破格のハードパンチが武器だけれど、WBCチャンピオンはリナレスだったりして、あの芸術性の高いボクシングと向き合ったら距離感を奪われて劣勢の中を延々と耐え続けなくちゃならない…って戦いになっちゃいそうなんだよなぁ… って言っても、スター性も感じるし、期待値は高いんだけれど…」


僕「…ライト級は?」


あるボクシング狂「…日本チャンピオンの石井選手はまだ発展途上だよね? この前、あの東洋太平洋チャンピオンのスイコをあんなに完璧に攻略して見せるとは思わなかったんだけれど、あの足を使った距離感重視のボクシングは今まであそこまで見せたことはなかったし、これがあのスイコを相手に出来ちゃったんだから物凄い加速度で進化してるってことだから期待しちゃうけれど、先日陥落しちゃったけれど、前WBAチャンピオンの小堀選手にはまだ及ばないかなぁ…って思うのは確か… 小堀選手はあのアルファロ戦で『危険』とか『恐怖』を克服したとてつもない『強さ』を得ていると思うんだ… それは負けちゃったけれどモーゼス戦で発揮していたと思うし、なんと言ってもあの『領域』は世界の『領域』だと思うし… ベテランの長嶋選手やこちらもベテランの嶋田選手もライト級だけれど、この両者は小堀選手や石井選手の『勢い』には残念だけれど飲み込まれちゃうような気がするんだよなぁ… もちろん大好きだけれど… モーゼスは一発を突破口にチャンスが現れそうな気もするけれど、パッキャオにキャンベル…って世界だからなぁ…」


僕「…スーパーライト級ですか、次は?」


あるボクシング狂「…日本チャンピオンの木村選手が群を抜いているのは間違いないけれど、やはり、この階級まで来ちゃうと世界は遠いですなぁ… 日本屈指の、アジア屈指であろう木村選手を以ってして、あのWBAチャンピオンのコテルニクとはあそこまで差があった…ってことになると、かなり厳しいよねぇ… さらに、国内で世界戦が見れなくなって久しい階級だし… ってことで、この辺の階級までにしておきますか、こっから先はちょっと寂しいお酒になっちゃうし…」


僕「…っていうことで、話を元に戻すと、『次の日本人世界チャンピオン』は誰だ!? …って話だけれど、一番近いのは黒木選手ってこと?」


あるボクシング狂「…っていうか、これはあくまで僕個人の印象だからあれなんだけれど、そういう『言い方』じゃしっくりこないのかなぁ…」


僕「…『次の日本人世界チャンピオン』って言い方がしっくり来ないって意味ですか?」


あるボクシング狂「…そうなんだ、そういうことか」


僕「…なに? そういうことって…?」


あるボクシング狂「…『ときめき』なんだよ」


僕「…『ときめき』?」


あるボクシング狂「…すなわち、『ときめけるボクサー』が不在なんだ、今、僕の中には」


僕「…なるほど」


あるボクシング狂「…じゃぁ、HIGEGE氏は誰にときめいてるの? どの『世界レベル』の日本人ボクサーにときめいてるの?」


僕「…ぐっ」


あるボクシング狂「…いやぁ、別にいいんだけれどさ、ちょっと僕は最近『小粒感』を感じちゃってさ…」


僕「…うぅむ、僕の場合は感動させてくれる選手なら日本タイトルマッチでも東洋太平洋タイトルマッチでも、世界タイトルマッチじゃなくても変わらず『ときめいちゃう』…っていうか」


あるボクシング狂「…もちろん、それでいいんだけれど、海外の世界チャンピオンの試合を動画で観る度に最近はどうしても溜息が出ちゃってさぁ… 解るかなぁ…?」


僕「…根っからのボクシングファンってのも大変ですね」


あるボクシング狂「…あなたは違うの?」


僕「…そういえば、期待に胸を膨らませたり、感動に打ち震える一方で、不甲斐なく勝たれても悶々としちゃうし、負けたら負けたでかなり落ち込むし、一体、なんなんですかね…? 高いお金を払って『憂鬱』を買い込んじゃうことも結構あるよね、そういえば…」


あるボクシング狂「…そういえば、そうだなぁ」


さてさて、この長い長いマニア会話の回想をお付き合いいただいてありがとうございました…


はて、どうなんだろう…?


最近は『小粒』…でしょうか?


『期待値の高いボクサー』…って減ってきたでしょうか?


果たして、みなさまはどうお感じになるでしょうか…?


そして、これがボクシングの不人気と関係しているのでしょうか…?


こんなことを書いていたら、ちょっとなんともいえない気持ちになってきたなぁ…


ただ、僕は『世界』じゃなくちゃボクシングじゃない…とは思わない立場なのですが、逆に言えば、そういうのって、やはりマニアックな世界なんですよね…


難しいと感じますねぇ…


御愛読感謝


つづく