…世界前哨戦(…次戦の世界9位・ワンディーに勝ったらデンカオセーンに挑戦なんて噂される!?)を控えた亀田大選手と、やっと初防衛戦が決定したWBA世界スーパーフライ級チャンピオンの名城信男選手が公開スパーリングをした…という記事。
さて、僕が気になっているのは名城選手の初防衛戦…
対戦相手は現東洋太平洋チャンピオンの冨山浩之介選手…ですが、特に、このWBAスーパーフライ級は特殊な状況が顕著で、WBA・WBC・IBF統一チャンピオンのダルチニャンが存在し、さらに、これとは別にWBA暫定チャンピオンのアルセに、そして、日本人対決による王座決定戦で再びの戴冠を果たした正規チャンピオンの名城選手が存在すると言う一般的には理解できない(否、ボクシングマニアでも了解し難いか…)状況であります…
きっと、ご本人も悶々とする部分あるではないか…?
正規チャンピオンの名城選手よりも先に、ダルチニャンに挑むアルセ…
これは世界的な人気者同士の対決となり、ビックカードとなりますが、しかし、知名度のない日本人世界チャンピオンだけはいつだって世界的なボクシングの潮流からははじき出されているのが現状であります…
もう散々この辺は書いているので辞めますが、しかし、非常にファンとしては辛いところ…
日本のサムライ世界チャンピオンとして「真の世界の海原」へ斬り込んで欲しいと願うも、しかし、実現しない…
WBC世界バンタム級世界チャンピオンの長谷川穂積選手のV7の実績を以ってしてもそれが叶わないのだからその現状は理解できると思いますが…
で、僕は「名城×冨山」が決定した時、なんとも言えない奇妙な違和感を感じた…とはすでに書いたのですが、それは先に挙げた世界的潮流から孤立した「日本の世界王座」…という印象に対する違和感が存在するのと同時に、もう一つの違和感が存在したのであります…
ここで名城選手が想定外の大苦戦を喫した場合、あるいは、王座死守が果たせなかった場合…の話であります。
冨山選手は巧い選手であります…
俗に言う「当て勘」が優れていて、距離感も申し分ない… クリンチ等のごまかしも巧い選手であります…
しかし、冨山選手が「世界挑戦」と聞いて、多くの方が何か腑に落ちない時期尚早感が漂ったのは事実であります…
冨山選手のキャリアの中で、最も手強かったはずの選手でありますが、タイの超ベテランボクサーで、東洋太平洋王座決定戦で2-1のスプリットデシジョンで際どく勝利した34歳のノラシン・ギャットプラサンチャイ…であると思うわけですが、ちょっと、え…!? っとなるのは確かだ。
これとは別に、この王座の初防衛戦で戦った世界挑戦も果たした相澤国之選手も実力者でありましたが、これはワンサイドで斬って落としたわけですが、相澤選手の出来も悪く、精彩を極端に欠いていた印象もあった…
さて、しかし、冨山選手は巧いとは思うのだが、「世界」となるともう少し足場を固めてからが望ましいのではないか…? というのが、恐らくはボクシングマニアの大半の感想だと思う…
特に僕は、07年に冨山選手が喫した唯一の黒星である、当時の日本バンタム級ランカーであった寺畠戦を生観戦していてその時の敗北の印象が強く(僕の採点によればポイントで大きくリードしていたが、最終10RTKO負けに屈した試合でした…)、最後の最後、土壇場での踏ん張りが効かなかったあの戦いはメンタルの弱点を露呈していたように思うのですが、その後の王座獲得はもちろん認めてはいますが、勝つには勝ったが強靭な「精神力」…というモノが未だに感じられないのが正直なところなのだ…
こう書いちゃうと誤解を受けそうですが、冨山選手は強い…が、もっと強くなってから世界へ行って頂きたい…という気持ちが未だに心に存在していて、この対決を祝福できないのだ…
その一方で、チャンピオンの名城選手ですが、奇妙なプレッシャーが掛かるのではないか…?
圧倒的な勝利…を期待されるわけですが、僕には少しだけ、苦戦の予感がある…
冨山選手の距離感はかなり優れている…と僕は感じているが、ここがツボに嵌ると名城選手の苦戦は必至…と僕は考えてしまうのだ…
そんなはずはない…って多くの名城ファンの方が考えていると思いますが、僕はあり得る…と考えてしまう。
そして、先に挙げた違和感の本当の正体ですが、ここで名城選手が極端に苦戦しても敗北しても嫌だ…という激しい気持ちが抑えきれないから…と言っても過言ではないのだ。
つまり、日本人対決による世界王座決定戦によって王座戴冠を果たした名城選手が、別の日本人選手に苦戦、あるいは敗北を喫した場合、この「WBAスーパーフライ級正規王座」ってのは一体なんなのだ…!? と感じはしまいか…?
「世界」…と名のつくタイトルが、全く理解できない気持ちになってしまわないか…!?
今夜はちょっと嫌なことを書いてますが、実はずっと前からこの違和感には悩まされていた…
冨山選手にはもちろんがんばっていただきたいし期待もしていますが、しかし、それ以上に、僕は心の中で、名城選手に異常なまでに圧倒的勝利を望んでいるのであります。
チャンピオンの名城選手が『ぶっちぎり』で勝てなくては、僕にはこの『WBAスーパーフライ級正規王座』…は理解できない。
それがどれほどのモノなのか理解できそうもない…
すみません…
好き勝手なことを書いてますが、改めて、自分の胸に手を当ててみれば、それだけの悶々が詰まっていることに気がついたのであります…
それは隠せないほどの、ごまかせないほどの存在感であり、僕は苛まれているのであります…
さて、しかし、ここまで書いては冨山選手の応援者の方が頭に来てしまうかも知れない…
当然だと思います。
しかし、冨山選手が世界チャンピオンとなり、その実力と権威を誇示証明すれば良いのだ…と僕は考えています。
つまり、名城選手を破った暁には、先ず、あの名城選手を破っている元同級チャンピオンであったアレキサンドル・ムニョスを撃破すれば誰も文句は言わないでしょう…
これが最も解りやすいチャンピオン像だと思います…
でも、今回は、今回だけは中立的にこの世界王座を賭けた「日本人対決」を観れそうもない…という僕の告白であります…
そして、最後に重ねて申し上げますが、選手にこのマッチメイクに関する非は当然一切ないと僕は考えています…
すみません、これはマニアの「ぼやき」だと思ってください…
また、このマッチメイクを批判する書き方をお許しください…
名城選手に僕はお願いしたいのだ… いつかの王座戴冠戦、マルティン・カスティーリョとの戦いのような白熱をもう一度見せて欲しいのだ…
あれこそが、ギリギリの世界戦の感動でありました…
そして、ムニョスにリベンジを果たしていただきたいのだ…
さて、ここに思いの丈を告白させていただいたので、この先は、このタイトルマッチを楽しめるよう、そういう目線をより研ぎ澄ましてゆく努力をさせていただきます…
御愛読感謝
つづく