これ、ちょっと前にいただいたコメント欄での出来事…
■石田の暫定戦大反対!!
チケットぴあより
WBA世界暫定スーパーウェルター級タイトルマッチ王座決定戦
〈石田順裕(金沢)-マルコ・アベンダーニョ(ベネズエラ) 〉/エキシビションマッチ〈輪島功一(元世界チャンプ)-金子俊昭(団塊ファイター) 〉
2009年8月30日(日) 開演 17:00 / 開場 16:30
会場 大阪府立体育会館(大阪府)
暫定は暴挙です。JBCは認可したんでしょうか?
亀田の暫定戦出場を反対したはずですが?
これを認めたら日本のボクシング界は終焉です。
これ、度々コメントを残してくださる「さんせい」さんの情報…
で、このコメントに対して別の方が以下のようなコメントを残されていたのですが…
■RE:石田の暫定戦大反対!!
>さんせいさん
西岡や戸高は暫定でしたよね なんで驚くのですか 弱いナパポーンを帝拳が興行してましたよね 亀田を目の敵にするけど 西岡ならOKですか 基準がよくわかりません
これを残されたのは「TCJ」さんと言う方…
さて、一部ではこの「暫定戦」が話題になっているようですが、しかし、公式発表はまだない…
が、このタイトルマッチのチケットはもうすぐ販売されると言う…
確かに、不思議な雲行きであることに間違いはない…
最近、ボクシングファンの間で異常な「ストレス」となっているのがこの『暫定』という冠のついた世界王座…
特にWBAはそれが顕著で、いわゆる承認料目当ての乱発乱造が著しいのは確かだ…
本来、世界チャンピオンとは各階級に「一人」いればよい…
これが理想像…
が、現在のボクシング界はご存知の通り主要団体と呼ばれるメジャータイトルは「4つ」存在していて、階級ごとに4名の世界チャンピオンが存在しているわけですが、ただ、日本では未だ行われていませんが、海外ではこれらの他団体チャンピオン同士がそれぞれのベルトを賭けて凌ぎを削っており、これがいわゆる「ビックマッチ」と呼ばれる形で盛り上がることが多い…
世界チャンピオン対決…って図式は悪くはないし、個人的にはこれに関しては大きな違和感はない…
が、正規チャンピオンが健在なのに、なぜか「暫定王座戦」が組まれてしまうケースが最近は多い…
WBA世界スーパーフライ級チャンピオンの名城選手がこの理不尽に遭遇していたりするし、また、亀田兄弟がフライ級暫定王座の設置をWBAに働きかけ、あわや認められかけたっていう事実もあったりする…
ボクシングファンの「ストレス」とは、チャンピオンの尊厳・威厳の失墜と、ある種の政治的ビジネス的横暴を優先する統括団体の暴挙の連続に起因する場合が多い…
で、話を戻すと、石田順裕選手の世界戦が決まりかけているらしい…の情報には、確かに「違和感」が残る…
プエルトリコのWBA世界スーパーウェルター級チャンピオンのダニエル・サントスは約一年以上も防衛戦を行っておらず、これは確かに問題… (怪我なのか、病気なのか、それとも政治的な軋轢が原因なのかはわかりませんが…)
ってことは、暫定王座でも作らなくちゃランカーたちが浮かばれない、とは確かに思いますねぇ…
で、ここに世界ランク4位の石田選手と5位のアベンダーニョで争わせるか…?って流れだと思うのですが、この両者、実は昨年世界王座挑戦者決定戦」という冠の元に石田選手の地元大阪で戦っている…
この試合、ギリギリ石田選手が僅差判定で逃げ切ったわけですが、見方によってはアベンダーニョの勝ちにも見える内容でありました…
さて、で、この両者が戦うのは良しとして、しかし、この戦いに暫定とは言え「世界チャンピオン」の称号がが賭けられる…ってことに多くの違和感が生じてしまうようであります…
なんというか、本来崇高にして確固たる権威が備わっていて然るべき世界チャンピオンという肩書きが、やや、言葉は悪いが「お手軽な印象」が残ってしまうわけであります…
これ、本当に辛い…
僕は石田選手を応援している…
デビュー6戦目で元東洋太平洋王座獲得も、陥落後は長い低迷期に石田選手は陥り、当時の日本チャンピオンであったクレイジー・キム選手に度々挑むもことごとく退けられ、しかし、ついに日本王座を決定戦で獲得したのは30歳を過ぎてから… で、キム選手が勝てなかった世界ランカーハビエル・ママニを大差判定で退ける金星を引っさげ、ついに世界王座挑戦に漕ぎ着けるか…?って状況での、前のアベンダーニョ戦だったわけですね…
その苦節と努力を想うと、とても胸が熱くなる…
が、いくら「確信犯的世界的潮流」とはいえ、「暫定王座決定戦」という響きにボクシングファンはゲンナリしてしまうのだ…
世界チャンピオンという存在は、決して「お手軽」であっても、「御都合主義的」であってもならない…
いや、そんなのはただの「呼び名」、「肩書き」に過ぎない…って頑なになってしまう…
しかし、正直、僕は辛いなぁ、って想うのだ…
石田選手ならば、イイじゃないか!!! って、いう気持ちも確かに存在するのだ…
世界4位の肩書きは自らの拳で掴んだ「実績」じゃないか!!!
前のアベンダニョ戦は僅差判定だったとは言え、勝ちは勝ち…
しかし、ボクシングファンっていうのは「潔癖症」と言うか、「頑固」と言うか、「公平な条件でフェアにキッチリ勝って欲しい」…ってどうしても考えちゃうわけで、その目線は本当に厳しいのでありますね…
一点の曇りがあれば、どうしてもそこばかりが目に止まっちゃうというか…
つまりは、それだけ「世界チャンピオン」という存在への畏怖と尊敬の念が強いと言うことなのですが…
国外では「露骨な地元判定」に泣かされるケースは多いし、あれは「許容範囲内」ではなかったか…!?
さて、しかし、理不尽な印象を与える「暫定王座」という冠だけに留まらず、その対戦相手が再びのアベンダーニョである…ってことがさらに輪をかけて複雑な印象を残してしまっているようですね…
で、延々と僕は考えたのですが、個人的にはこの「暫定王座決定戦」はあってもいいし、石田選手を応援したい…ってことに決めたのだ。
つまり、その実績は評価すべきで、世界4位の肩書きは「本物」であるのだ…
日本王座を獲得し、世界ランカーのママニを破り、挑戦者決定戦でアベンダーニョを僅差とは言え、退けたわけだから…
WBAのやり方には不信感は残るも、しかし、この際、選手が貶められるべきではない…と考えた次第であります。
で、もう一度、上に貼った「TCJ」さんのコメントをもう一度読む…
西岡や戸高は暫定でしたよね なんで驚くのですか 弱いナパポーンを帝拳が興行してましたよね 亀田を目の敵にするけど 西岡ならOKですか 基準がよくわかりません
申し訳ないのですが、亀田選手と、西岡選手や戸高選手の「暫定」は違うと僕は思いますねぇ…
つまり、「世界チャンピオン」の価値とは千差万別だけれど、少なくとも真の強豪との戦いを経て「今」があるボクサーと、ちょっと疑問が残ったままのボクサーでは、ファンの「信頼感」っていうか、「評価」っていうか、そういうものの『重さ』は如実に違うわけで、また、王座決定戦でチャンピオンになったとして、しかし、その後にチャンピオンとしての自らの「価値」、「評価」を上げる為の試合を見せてくれたかどうか…?って部分でも、その「重さ」は変わってゆくわけですね…
また、亀田選手の場合はあまりにも「異端的」過ぎて、その政治的暗躍が露骨にファンに見え隠れしちゃうし、さらに、いかに安全確実に「チャンピオン」になるか…って方針が露骨過ぎるわけで、これと同列に語るのはやはり難しいのではないか…?って僕は感じてしまいます。
「基準」とは、これ、そのボクサーが練り上げた「真の強さ」に対する「評価」とその「重さ」が深く関係している…と僕は考えていますが、いかがでしょうか?
さて、改めてこの「暫定王座問題」とボクシングファンの「ストレス問題」っていうのは本当に根が深い…と感じますねぇ…
うぅぅ…ん
もちろん、まだ石田選手のこの試合は「公式発表」されたわけではないので、あくまでそのような「噂」があるようだ…って意味で受け取っていただき、また、「暫定王座」というものに、ボクシングファンがどれだけ「ストレス」を抱えてしまっているか…っていうことを考えた内容ってことで、ご理解いただければと存じます…
それでは、最後に、いつかの「石田×アベンダーニョ戦」の観戦記を再収録しておきます…
確かに、あれは際どい戦いだったなぁ…
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2008 9 22 大阪府立体育館第一競技場
WBA世界スーパーウェルター級挑戦者決定戦
WBA8位
マルコ・アベンダーニョ(ベネズエラ) 26W18KO5L1D
×
WBA9位
石田順裕 19W7KO5L2D
今夜の注目の一戦…
同居の某嬢が眠るまで観れず、この深い時間から更新します…
35歳のアベンダーニョに挑む、33歳の元東洋太平洋スーパーウェルター級、前日本スーパーウェルター級チャンピオンの石田選手…
両者オーソドックス… が、ややボクサー寄りの石田選手と、思い切って踏み込んでくるボクサーファイターのアベンダーニョ、その立ち上がり、互いに鋭いジャブの刺し合いは互角、スピード感のある展開に期待が高まる…
キレのあるワンツーが武器の石田選手と、どうやら、思い切りのよい左右フックが武器のアベンダーニョ…
3Rになって、ややアベンダーニョの厚いプレスに押され始めた印象の石田選手、ジャブのクリーンヒット率が落ち、リーチで勝っているはずのこのリード勝負で劣勢感が漂う…
5Rにはアベンダーニョの右フックを右を打ち込む際にカウンターでまともに喰い、さらに追撃の左フックを返されたマットに膝を突くダウン…!!
ここは立ち上がるも、そのダメージが目に見える…が、ここをフットワークを駆使してふんばり、なんとかゴングを聞く…
しかし、つづく6Rからは闘魂を奮い立たせ、また、冷静に左ジャブを的確に当てて反撃…
ここから、序盤の失点を挽回するワンツーボクシングを展開、さらに、アベンダーニョのスタミナも消耗してゆく様子が見て取れる…
8Rには石田の右ストレートがアベンダーニョの顔面、その顎先に命中!! これが当たり続ければ…
が、ここから両者決定打なしの互角の展開…
最終盤はスタミナを失ったアベンダーニョがクリンチを繰り返しながらも接近ショートで優勢に見えたが、まだスタミナを残した石田が流れ的には「押していた」印象が残る…
で、僕の採点では115-114でアベンダーニョ…となったが、互角を二つもつけてしまっていたし、贔屓目に見ても際どいなぁ…って内容に見えた。
クリーンヒットが少なかったのですよねぇ… 終盤戦の両者に… あっても単発でしたしね…
が、ここは地元であるので、「勝ったかな」と感じましたが…
公式の採点 115-114(石田) 115-113(アベンダーニョ) 115-113(石田)
…で、2-1のスプリットデシジョンで石田選手の世界挑戦者決定戦勝利!!!
石田選手、しかし、あのアベンダーニョの右フックをあれだけ綺麗にまともに喰って、よくぞ立ち上がり、さらに、残り90秒を凌ぎました…
で、そこから三十路の闘魂を爆発させましたねぇ…
これは苦戦…でありましたが、「気持ちの持続と爆発」という意味で、これからに繋がる一戦に見えました。
おめでとうございました!!
WBAスーパーウェルター級チャンピオンはダニエル・サントス(プエルトリコ)…
ここに現在9位の石田選手の名前がありますが、さて、来月は何位に上がってくるのでしょうかね…?
この階級のランキングですが、ここに日本人の名前があるだけで嬉しくなってきますが、しかし、厳しい見方をすれば、今夜の内容では敵地なら90パーセント以上負けていたと思えますし、地元の利を活かしきった際どい勝利であったことも事実であります…
この判定は僕も許容範囲内だとは思いますが、さすがにスーパーウェルター級、その壁は果てしなく厚く高い…
このアベンダーニョ、終盤スタミナ不足を露呈してくれたから良かったですが、このアベンダーニョでさえ世界レベルで言えば年齢も35歳であったし、ハイレベルと言い切れるわけでもないでしょう…
…が、これでいい。
先ずは勝つこと、そして、次に繋げることが最大のテーマであったと思いますし、なんと言っても「気持ち」と「闘魂」の発揮をさらに養えた印象ありますね…
すんません、偉そうなこと書いて…
でも、石田選手の夢は僕たちボクシングファンの夢でもあるのはご承知の通り…
年明けに世界戦だぁ…なんて声も聞こえてますが、その実現を楽しみに待ちたいですね、年齢的ピーキングの問題もありますから、もう次は世界がいいと僕は思いますし、「今しかない」…って気持ちであります…
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ああ、僕の自己採点は1ポイント差でアベンダーニョの勝ちに見えたのかぁ…
なるほどぉ…
が、石田選手はなんとか世界に挑んで欲しい…っていう気持ちが強いのは確かだなぁ…
悩ましいですねぇ…
御愛読感謝
つづく