1998年10月25日 「名護×山口」 日本スーパーフライ級タイトルマッチ!! | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

1998年10月25日 沖縄コンベンションセンター

日本スーパーフライ級タイトルマッチ


チャンピオン 名護明彦 12W9KO無敗

×

WBC5位 挑戦者 山口圭司 25W10KO3L 




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元WBA世界ライトフライ級チャンピオンの山口選手が「挑む」のは時の超新星、日本スーパーフライ級チャンピオン、当時無敗の名護選手…


名護に勝てなくて、もう一度世界チャンピオンになんかなれるはずがない…


当時、山口選手が24歳で、名護選手が22歳か…


11連続KO中だった当時の日本チャンピオン松倉選手を破って王座に付いた名護選手、これが2度目の防衛戦にあたる… 世界奪取間違いなし… 地元沖縄の圧倒的期待を背負ったスーパースター候補、名護選手は抜群のKO率を持った日本屈指のハードパンチャー…  


一方の挑戦者にして元世界チャンピオンの山口選手、日本ライトフライ級王座を3度防衛して返上、世界初挑戦は韓国の雀に挑むも判定負け、しかし、2度目の挑戦でパナマのカルロス・ムリージョに挑戦してこれを判定で撃破、ダイレクトリマッチのムリージョを初防衛で退けるも、2度目の防衛戦でタイのピチット・チョー・シワットに痛快なる2RTKO負けを喫して王座陥落、その後、フライ級世界王座挑戦を果たすも、ベネズエラのホセ・ボニージャに6RTKO負けで敗退…が、再起3戦を経てこの日本王座に挑戦…


で、そんな両者が拳を交えるこのタイトルマッチ、その開催地はチャンピオン名護選手の地元、沖縄の地…


これ、当時は胸が高鳴る超の付く「好カード」…って奴ですよね?


無敗の日本チャンピオンに挑む、元世界チャンピオン…


まさに、世紀の一戦かぁ…


そんな盛り上がりを醸し出す当時の実況に会場の雰囲気…



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1R 両者サウスポー構え 軽快なフットワークと抜群の俊敏性を早速発揮する挑戦者山口に対して、その脅威的な破壊力を秘めたフックが武器の名護がにじり寄る展開… 山口の、かつて世界を獲った右リードは早い…が、名護は頭を小刻みに振ってこれを器用に外す… ははぁ… 手数は山口、名護は被弾こそないが、しかし、積極性が見えない… と、そのゴング間際、右を放った山口の打ち終わりに鋭い左フックから強烈な右フックを打ちかましたのは名護!! 迫力満点… 浅かったか…? が、両者クリーンヒットが極端に少なかったので名護のパワーを存分に発揮したゴング間際の強打を評価したい… 山口、両手を上げてノーダメージをアピール…が、ポイントは名護の10-9…



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2R ボクサータイプ、山口が長い右から大きく踏み込んで鋭い左を捻じ込んだ… 名護、頭を大きく弾かれた… 山口、長い右から左の距離とタイミングを掴みかけたか? …っと、名護の腰の辺りまで振りかぶったような強烈な左フックが山口を捕らえた!!! まさに、力任せ(!?)、いやいや、物凄いパンチだっ… さらに追撃の「回転波動砲」連打!!! 山口、大きくバランスを崩したっ…!!! 山口、これに耐えて距離を置きなおした… 危なかった… チャンピオンの左右フック、あれはワンパンチで意識を断ち切る脅威のパンチだ… 名護10-9



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3R テクニックでは互角以上の山口、しかし、冷静なのは名護か…? よく見て強打…という戦法の名護に対して、スピードで上回る山口が鋭いジャブを丁寧に突く… 山口には一発はないが、しかし、この的確こそが最大の武器… 名護、バランスを失いながらも脅威の「全身フック」!!! 恐ろしいほどの「空振り」…!!! 会場がどよめく… しかし、ここは山口が丁寧に戦った… 山口10-9


4R 一発に頼りすぎの傾向が強い名護に対し、山口は的確に、そして、丹念にパンチを積み重ねてゆく… 



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その鋭い右フックが名護の顔面を抉った!!! が、名護は思い切って踏み込んで右を縦に連打!!! バランスを崩しながらも強烈な右ボディー!!! 山口、流石に名護のパンチ力を味わってから、危険な距離で戦えなくなった…が、勇気を持って「危険」を踏み越える!!! 長い右が名護のガードを割って入る!!! 名護、すかさず大きな右フックを叩き込むと山口はロープを背負ってしまう!!! 名護、左右連打!!! 



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ブゥゥン!!! 


右フックを目一杯打ち込み、それは空振り、山口に背を向けてしまうほどだ… 


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と、山口、両腕を高々と掲げて、「まだまだだな…」とアピール…


名護の一発は驚異的だが、散発的過ぎる… 山口10-9


5R 山口のリズム感が高まってきたか…!? 山口の鋭いパンチと距離感が試合を掴みかけているか…? 名護は手数が少ない… しかし、両者明確な決定打がないか…? 互角10-10


6R まともに打ち合ったら名護の強打の餌食になるだろう… 山口は実に丁寧に戦う 当てて離れて支配するしかない… 山口の大きな左が名護を捕らえる!!! 名護、意地になって大きなフックを放って飛び込んでゆく!!! が、空振り… ここは的確なクリーンヒットのあった山口のRとする… 山口10-9


7R キャリアと場数、そして、「元世界チャンピオンの意地」が山口を奮い立たせている!!! 負けられるはずねぇ…!!! 山口、名護の打ち終わりに左フックをカウンターを捻じ込む!!! 試合巧者、山口の駆け引きの前に、名護はジリジリとイライラが募ってゆく展開… 名護、鋭いボディーから右を捻じ込むも、これは単発… 的確さとアグレッシブ、流れを支配しているのは山口… 山口10-9


8R 山口のテクニカルなボクシングが流れ続ける…と思いきや、名護の右フックが山口の頬を捕らえた!! これはコンパクトスイングのいいパンチだっ!! 山口、右手を上げて「大丈夫や大丈夫や」… が、やはり単発… 出入りを巧く使い、淀みなく手数を出しているのは山口… しかし、名護に大きなダメージを与えるにはいたらず… むむむ… 採点は難しいなぁ… 解説の白井さんは山口かぁ… ここは単発でも名護の右ショートフックを採るか…? 名護10-9


9R 名護の左右ボディー、コンビネーションが山口を抉る!!! 名護、しかし、流石に焦ってきたか…? 距離感で劣るとボクシングという競技はとてつもない「不利」を背負うことになる… さらに、山口のスピードは全く失速の気配を見せず、そして、その抜群の右リードも衰えを見せない… 手数で常に優位に立ち、そして、その抜群のフットワークで距離感でも優位に立つ… が、名護、イライラしながらも、意地で攻め込み、山口の右ジャブにタイミングよく左ストレートを被せた!!! 山口、いきり立って反撃!! が、名護、左右フックで追撃!!! 


ここで、ゴング…


山口、赤コーナーに戻る名護の背中に向かって大きなベロを出す…


全然効いてねぇ… そんな山口選手の声が聞こえてきそう… 名護10-9



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10R ラストラウンド!!! 名護、大きなパンチをグングン打ち込む!!! 山口、これを捌こうにも、やや名護の圧に押されているか…!? 山口、大きな左を空転した名護の顔面に右カウンターをクリーンヒット!!! が、名護、下がらない… 名護の猛攻が山口を押し潰しかけている!!! 名護、ブンブンと左右フックの暴れ打ち!!! っと、山口、左アッパーを放ちかけたところに、名護のレフトフックがカツン!! と命中!!! 山口の足が止まった!! 効いた!!! 山口、名護にクリンチしながら顔を左右に振る… 「効いてない、全然効いてない」 これに勝ったほうが「世界」へ…!!!


ゴング…


試合終了… 名護10-9


HIGEGE91 の採点 96-95で、名護明彦選手の勝ち!!! 


…が、これ、限りなくドローに近いでしょ!?  


テレビ解説の、当時現役の世界チャンピオンだった畑山隆則さんは「ドロー」だったそうだが、さて、公式の採点は…!?

 

公式の採点、97-95 97-96 97-96 「3-0」のユナニマスデシジョンで、勝者、名護明彦!!!


いい試合でしたねぇ…



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が、名護選手、その後、当時の世界チャンピオン、戸高秀樹さんと徳山昌守さんに挑むも、それぞれ判定負けだったんですよねぇ…


また、山口選手、この敗戦の後も現役を続行…


この敗戦の後、3連勝を飾って当時の韓国のWBC世界スーパーフライ級チャンピオン曺仁柱に挑むも判定負け…


さらに、なおも現役を続行して最後は後の東洋太平洋チャンピオンの有永選手に、あの川島郭志選手からタイトルを奪ったペニャロサ、そして、元日本スーパーバンタム級チャンピオンの瀬川設男選手…と3連敗を喫して、ついにグローブを置いたんですよね…


相当戦い続けましたねぇ…


あ、そういえば、専門誌で最近読んだ覚えあるのですが、名護選手はアメリカにボクシング修行に出掛けて向こうのリングに上がったようですが、負けてしまったようですね…


それが約2年ぶりのリングで、6回戦判定負け…と記録が残っているようですね…


これは残念ながら詳細はわからないのですが、しかし、この頃は本当に輝いていましたねぇ…


御愛読感謝


つづく