今年も残すところあと僅かであります…
今日はクリスマスってことで、しかし、同居の某嬢は忘年会で帰りは午前?時になるかわかりません。
で、僕は日課にしているランニングに出掛けまして、で、池の周りのベンチで愛を育む恋人たちを横目にせっせと走りました…
今夜はクリスマスとあって、みなさん、実に大胆ですなぁ…
っと、男性同士の熱い抱擁にも遭遇いたしまして、これにはカルチャーショックというか、なんとも言えない衝撃を受けてしまいましたが、しかし、同性愛にも市民権が与えられて然るべき時代であります…
で、そんなこんなで走りながら考えたのは、2009年の、『生観戦ベスト3』であります!!
ダララララッ…!!!
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第3位 2009 6 24 角海老ボクシング 後楽園ホール
この夜の興行は、どの試合もかなりの白熱を発散させた…
そのリングの上では、それぞれのボクサーたちが、それぞれの背景を胸に、しかし、観客はそんな彼らの胸中の詳細を知らないまま、ただ、その青春の燃焼をみつめ、そんな彼らから「何か」を受け取るために手に汗を握る…
「想い」とは、それはボクサーに限らず、誰の胸にもそれぞれ抱く何かがあるわけですが、僕は、とりわけボクサーたちのそれに引き寄せられてしまう…
僅かな報酬しか得られず、さらに、悲運と不幸が重なれば、その生命さえも脅かされる危険を承知で戦うボクサーたちの「想い」とは、果たして何であるのか…?
それはどのような「言葉」を駆使しても到底及ばない何かであることは随分前から解ってはいることだが、だからこそ、僕はせっせと聖地・後楽園ホールへ足を運ぶ…
僕にとって、ボクサーの戦いと、その切実は、自堕落にして絶望的な自分を映す「残酷な鏡」のような存在である…
それを凝視することは、不甲斐ない自分の惨めを、自らの心に刻み込むような作業でもある…
そして、昨晩も、僕は激しい自己嫌悪と苦悩を前にして、それを飲み干す勇気が本当にあるのか?と、延々と悶えることになったのだ…
眠れない…
が、自らを「勝負師」と呼ぶ、32歳の日本フェザー級3位は、その真っ赤に腫上った顔面と痛みを抱えながら、もっと眠れなかったはずだ…
日本フェザー級3位 秋葉慶介 11W2KO5L4D
×
日本フェザー級 東上剛 7W2KO6L3D
秋葉は勝たなくてはならない… いつかの日本フェザー級タイトルマッチ、当時のチャンピオンは現WBC世界チャンピオンの粟生隆寛選手であった… その抜群のテクニックを前に判定負けで屈したが、手応えがなかったわけはない… もう一度チャンスを掴むためには、この前哨戦で間違っても負けるわけにはいかない…
が、この秋葉の「日本3位」の肩書きを狙う東上にとっては、ボクサーとして結果を残す意味でもそのキャリアにおいてもっとも重要な一戦となる… 勝てばランキング入り… 胸を張れる… チャンピオンに挑む権利も与えられる… これまでの努力と苦労を肯定できる… ここ最新は2連敗こそしているが、全て帳消しだ…
1R 両者右構え やや距離を測りながらその間合いを確認する両者… 秋葉は丁寧なワンツーとカウンターの左フック、そして、軽いながらも右アッパーを巧打した… 一方の東上は踏み込んでワンツーを秋葉に見舞ったが、これはやや単発気味であった… 秋葉10-9
2R ランク獲りに燃える東上はここへきてその闘争心に炎が点く… 積極的に前へ…!! その手数が秋葉を押し始めた…秋葉はカウンターで迎撃、機を見て左ボディーをねじ込むも、東上のアグレッシブがそれを凌駕したか? 互角10-10
3R 秋葉はワンツーを丁寧に積み重ねながら、左フックカウンターを狙うが、ここで東上の左ボディーが物凄い音を立ててその脇腹を抉った… 秋葉は、そのクリーンヒットを喰って後退… さらにロープを背負う… 東上のガムシャラが日本3位を追い詰める… その気迫は湯気が立ち上っているようにも見える… そのアグレッシブが明らかな優勢を奪い取った 東上10-9
4R 秋葉はコツコツときれいなワンツーから左ボディーをヒットさせるも、東上はその攻撃を倍返しで跳ね返す展開… 東上の左右ボディーブローは特に秀逸で、その音と衝撃に場内は盛り上がる… 東上にはたくさんの応援団がついている… その歓声がさらに後押しする… 秋葉の攻撃はその倍返しの前に全て掻き消されてしまう… 旗色は悪い… リズムと流れは完全に東上だ… 東上10-9
5R 完全に勢いに乗った東上はそのコンビネーションの合間に大きなフルスイングをまぶし始めた… 倒す気だ… 秋葉は効いている… 動きも悪い… 今、まさに、それを肌で感じているからこその大きなフルスイングではないのか…? 東上の右アッパーカットが秋葉の顎を跳ね上げ、そして、ジャブも、右も、かなり命中している… 東上の右ストレート!!! 秋葉、まっすぐ後退… これ、マズイ…!! 東上の闘争心の充実の大きなうねりに、秋葉はもう飲み込まれそうだ… コーナーに詰まる…!!! なんとか堪えるも、しかし、この流れを変えるには大きな一発か、あるいは、東上のスタミナ配分のミスに期待するしかない… 完全なる劣勢… 東上10-9
6R ゴングを聞いて自陣の赤コーナーに戻る度、秋葉は首を傾げ続けていた… 思うように身体が動かない… これは本来の自分ではない… そんな彼の「心の呟き」が聞こえてきそうだ… が、このR開始直後、秋葉は劣勢を跳ね返すべくゴングと同時に打って出た… そのコンパクトなワンツーが東上の顔面に命中するも、しかし、心と身体の充実が一致している東上を下がらせることは出来ない…
バチン!!!
東上の右が秋葉の顔面を抉った!!!
秋葉の左瞼がザックリと切れた… 流血… これはクリーンヒットによるヒッティングだ… 東上、これはTKO勝ちもあり得る!! もう勢いは止まらない… 東上10-9
そのインターバル…
赤コーナーリングサイドに並んだ、子供たちが声を揃えて咽喉を嗄らせた…
----アキバ、アキバ、アキバ、アキバ!!!!
もちろん、青コーナーも負けてはいない…
----トージョー、トージョー、トージョー!!!
そうか、あの子供たちは坂本博之さんの慈善活動を通じて知り合い、招待した子供たちに違いない…
秋葉よ、ランカーの意地を見せろ!!! 子供たちが君を応援しているぞ!!! 子供たちに頑張る姿を見せろ!!! あきらめるな!!!
7R 東上の強烈な左ボディーが秋葉の脇腹に抉りこまれた… 秋葉の動きが止まる… 東上の是が非でも、いや、死んでも勝つ!!!の魂の燃焼は最高潮に達している!!! 秋葉のそれも奮い立ってはいるが、しかし、スタミナも消失し、蓄積したダメージも深い… 秋葉のクリーンヒットはコンパクトにして的確であるが、しかし、東上のそれはエネルギッシュにして見栄えがよい… 秋葉のクリーンヒットに全く怯む気配はないのだ… 東上10-9
8R 秋葉はこの圧倒的不利の前に、「倒す」ほか勝利への道は残されていない…
----アキバ、アキバ、アキバ、アキバ!!!
「勝負師」と自らを呼ぶボクサーは、この夜、やれることを全てやった…と思う。
しかし、連敗脱出と、ランキング奪取に全てを賭けたノーランカーの意地と執念が大きくそれを凌駕した…
ボクサーはそれぞれ、多くの「背景」を背負っている… この大劣勢の奥には、観客には遮蔽された「理由」もあるかもしれない…
が、リングの上では、その「背景」や「理由」は言い訳にしかならない…
この最終ラウンド、東上もまた潔かった… ポイントは完全優位であったが、安全運転を拒否… この時点で、秋葉の敗戦は9分9厘決まったように見えた… 東上の右オーバーハンドをまともに喰い、さらに、追撃の左右ボディーブローに秋葉の背中は丸くなり、ロープを背負い、コーナーに閉じ込められた… 秋葉も最後までこの劣勢に反逆を試みるも、東上が怯むはずもなかった…
東上の魅せた執念は、それはいつかの秋葉自身が日本ランキングをもぎ取った戦い、3年前の、あの時の「自分の姿」であった…と、勝負師自身、きっと感じていたに違いない。
秋葉はしかし、諦めることなくクリーンヒットも奪った… ボクサーの「矜持」を、それを発揮した…が、明確なポイントを奪うには至らずか… 互角10-10
higege91の採点 79-75 勝者 東上剛 !!!
公式の採点 78-76、79-74、79-74 3-0のユナニマスデシジョンで、勝者、東上剛!!!
…再びのタイトルマッチへの夢は、一旦、断たれてしまった。
油断があったか? 調整に失敗があったか? モチベーションに不足があったか?
しかし、この大一番で日本ランク入りを確実に決めた東上選手、その気迫と闘争心、そのアグレッシブ、見事でありました…
本当に強かった…
秋葉選手はその劣勢を跳ね返そうと打って出たが、しかし、まったく寄せ付けなかった…
おめでとうございました!!! その名前と強烈なる左ボディーブロー、確かに頭に刻み込んだ!!!
32歳、ボクサーとして瀬戸際に立たされた秋葉選手、その進退はまだわからない…
しかし、前の小野澤選手との不本意なる引き分け試合の出来よりも、気持ちを前面に打ち出した内容であったことも事実であります…
そういう意味では、おかしな言い方になりますが、僕は満足もしている。
が、ボクサー秋葉慶介が求め続ける「何か」…が遠のいたのは厳然たる事実である。
敗戦直後のリングサイドには、東上選手の強烈な右によって切り裂かれた左瞼に痛々しくテーピングを施した、秋葉選手の姿があった…
応援に駆けつけてくれた子供たちに詫びるために、悔しさとその苦悩を胸にしまって、そして、やってきたのだ…
そんな秋葉選手を子供たちは暖かく迎え入れ、敗れたばかりの「アキバ」にサインをせがみ、秋葉選手はその求めに丁寧に一つずつ応じていた…
傍から見ると、一見、それは残酷な場面のようにも見える…が、しかし、子供たちはその敗戦をリングサイドから目撃してもなお、それ以前の「日本3位の秋葉慶介」ではなくなってもなお、なんら変わることなく、無条件で「アキバ」に感謝と友愛の気持ちを示してくれているのだ…
そして、そんな子供たちが差し出したメモ帳に、「元日本3位 秋葉慶介」は自分の名前を書き込んだ後で、その横に、「勝負師」の一言を添えていた…
「勝負師」の求める「何か」は消えてなくなってしまったのだろうか? それとも、ちょっとだけ遠くに行ってしまっただけなのだろうか?
しばらく、じっくり考える時間が必要なのは確かだ…
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秋葉選手、負けた直後に招待した施設の子供たちに謝ってましたねぇ…
本当に痺れました…
そして、その次の試合で日本ランク2位の高山選手に挑み、大差判定に屈し、ついに引退を表明されましたねぇ…
お疲れさまでした!!!
で、第2位は…
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第2位 2009 6 6 ダイナミックグローブ
後楽園ホール
今夜のタイトルマッチでありますが、観客者の胸をかき乱す、非常に情緒に溢れた「ストーリー」を秘めていた…
プロボクシング、あるいは、「真剣勝負」と呼ばれる二つの拳で殴りあうスポーツの、その極めて強烈な勝敗のコントラストであるが、この結末と幕切れに、そして、この感触には、正直、暫くうなされそうだ…
日本ウエルター級タイトルマッチ
チャンピオン 中川大資 13W9KO2L1D
×
挑戦者同級2位 斉藤幸伸丸 11W6KO2L1D
チャンピオンの中川選手は前のチャンピオンであった破格の強打者沼田選手を長い左ジャブとそれに続く右ストレートで痛めつけながら突き放し続け、大差判定で勝利して王座戴冠、遅咲きながら、ついに栄光のチャンピオンベルトを巻いた苦労人でもある… 今回がその初防衛戦にあたる…
一方の挑戦者は北海道出身で、漁師であるという家の「船の名前」をリングネームにしたという斉藤選手…
さて、このタイトルマッチはその立ち上がりから異様な展開を見せた…
チャンピオンは身長リーチで上回るも、その得意のワンツーの間隙を縫って積極的に踏み込んでは強烈な左右フックをねじ込む挑戦者の前に、完全に主導権を握られ続けたのである…
挑戦者はキビキビとフットワークを刻み、打って離れる理想的なボクシングを積み重ねていった…
チャンピオンは遠距離射撃でダメ、くっついてダメ、とにかく挑戦者のハイテンポボクシングに振り回され続けたのだ…
挑戦者はその懐に飛び込みながら大きな左フックを放ち、それに続けて右ストレートをねじ込む、チャンピオンの顔面にそれは抉りこまれ、その頭は目の前で花火が上がったかのようにバチンッと跳ね上がる…
そのような挑戦者の積極的にして子気味良いボクシングが7R中盤まで延々と積み重ねられた…
ポイントは間違いなくフルマークに近いはずであった…
離れて良し、飛び込んで良し、そのクリーンヒットは数え切れないほど積み上げられた…
そして、その7R中盤でありますが、挑戦者の右ストレートに続いて追撃の左フックがクリーンヒット、チャンピオンが大きくのけ反ったのだ…
さて、挑戦者はこの時、「何を想った」のだろうか…?
俺はこいつを「倒して」チャンピオンになる…
これではなかったか?
また、そのような闘争心は挑戦者になくてはならないものであるとも思う…
そして、それこそがまさしく「チャンピオンになるべき資格」であるとも思う…
気迫溢れる挑戦者は、八方塞の、あっぷあっぷのチャンピオンを倒そうと決意した、と僕は見た…
もうかなり追い詰めていた…
これまでの「戦術」を冷静に継続してゆけば、ほぼ確実にチャンピオンベルトを腰に巻く快挙が約束されていたほどの状況であった…
ワンサイド…と呼ばれる一方的な内容を自らのボクシングでここまで築き上げたのだ…
が、挑戦者はただの「チャンピオン」ではなくて、恐らくはボクシングを始めて以来、ずっと夢見てきた「真のチャンピオン」になるために、『倒して勝つ』ために、打って出たのだ…
この時、手負いのチャンピオンの繰り出した右クロスが挑戦者の顔面に打ち下ろされ、それは「急所」を打ち抜いた…
危険な距離での勝負どころで、血気盛んであった挑戦者の膝が揺れ、それまで機敏であった足が止まった…
この時、挑戦者は一瞬クリンチしかけたが、しかし、次の瞬間、再び打って出た…
渾身の力を込めて、大きなフックを振り回した…が、それらは空を斬り、この時、徹底的劣勢に追い込まれていた手負いのチャンピオンの連打がことごとく炸裂した…
とんっ…
挑戦者が片膝をマットに突いた…
レフェリーが二人を分けた…
ダウンだ…
この時、挑戦者は「ニヤッ…」と微笑んでいた、ように見えた、いや、違う、あれは「苦笑い」だ…
これは後楽園ホールでも度々見かける…
ちょっと失敗しちまった… あるいは、全然効いてなどいない、さぁ、立ち上がってお返しの一発をぶちかましてやる… なんて場面で、度々見かける「苦笑い」だ…
しかし、レフェリーのマーチンさんはそんな挑戦者の背中に手を回すと、実家の「船の名前」をリングネームにしたという挑戦者は、そのままゆっくりと身体を横たえ、硬直し、意識を失ったのだ…
これが、7R 2:36 の出来事であった…
7R 2:36 チャンピオン 中川大資 初防衛成功…
斉藤選手は意識を失いながらも、恐らくは戦い続けていたに違いない…
第三者的には斉藤選手の昏倒をもって明快な決着はついたわけだが、しかし、、彼が片膝をついた時点で、彼は「苦笑い」をしていた…ということは、まだまだ、立ち上がって残りの2ラウンド半を戦い抜き、願わくばチャンピオンを倒し、そして、ずっと夢見てきた「真のチャンピオン」になるために再び殴りあうつもりであったに違いないのだ…
挑戦者は担架に乗せられての退場となった…
僕はこう感じたのだ…
なぜ、「危険な打ち合い」の渦に自ら飛び込んでしまったのか?
そして、僕は自問自答でこう考えたのだ…
「本当のチャンピオン」になりたかったから、斉藤幸伸丸は倒しにいったのだ…
極端な話、残りの2ラウンドをパンチ一つ抉りこまずに、ごまかしてアウトボックスしれば間違いなくチャンピオンとなることは叶ったはずの状況であった…
これはキャリアの希薄が招いた戦術ミスか? あるいは、倒そうと意気込んだこの気持ちに、驕りのような何かがあったのか…?
この、完全優位な状況下での「真っ向勝負」でありますが、これを、どう捕らえるべきか…?
本当に惜しかった…などと軽々しく言えない何かがここにはある…
今しかないと、今こそ打って出ろと、斉藤選手を構成する全身の「細胞たち」が叫んだのだ…と僕は感じた。
だから、彼はポイントアウトを選ばなかったのだ、と…
結果こそ残念であったが、しかし、それは最高の「選択」であった、と僕は思う。
そして、チャンピオンの中川選手であるが、超大逆転を演じたわけでありますが、しかし、その内容は決して優れたものではなかった… もちろん、勝負には打ち勝ったが、しかし、展開も主導権も全て後手にまわされっぱなしであった…
次戦に期待しています…
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斉藤選手、こんな言い方は失礼かもしれませんが、素晴らしい「負けっぷり」だった…
胸がギュゥゥゥ…っと締め付けられましたねぇ…
最近、再起成功してますね、もう一度タイトルマッチに是非漕ぎ着けてほしいですねぇ…
で、第一位ですが…
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第1位 2009 10 11 最強後楽園 決勝戦
後楽園ホール
スーパーフェザー級決勝戦
日本1位 川村貢治 17W5KO1L1D
×
日本2位 岡田誠一 9W6KO無敗
個人的に、もっとも注目し、そして、激闘の期待を込めた好カードにして、今夜、もっとも熱い戦いとなった接戦…
ってことで、ラウンドごとに追ってみる…
1R 両者右構え 川村は大きな左右フックを大胆に振るう これに対して岡田は的確なコンパクトパンチを的確に打ちぬく繊細さを発揮… 岡田のコンパクトなボディ打ちが有効か…と思いきや、筋骨隆々の川村の右スイングがまともに岡田を捕えた!!! 岡田、吹き飛ばされた!!! いかん!!! が、なんとか凌ぐも、岡田はいきなりダメージを負わされる苦しい立ち上がり… 川村10-9
2R 岡田のピンポイントを打ちぬくワンツーの精度は抜群、川村の懐に潜り込めば左右ボディーフックをねじ込み、そして、固めたガードの隙間目掛けて鋭いアッパーカットを突き上げる… 川村は岡田の繊細さに太刀打ちできない…と思いきや、その最終盤、大きな左スイングが岡田の頭部を跳ね飛ばす!! バコーン!!! 川村の左フックカウンターで形勢は一気に逆転… それまで優位に進めていた岡田だったが、ポイントは奪われた… 川村10-9
3R 岡田は丁寧なワンツーでコツコツと有効打を重ねるも、川村は見栄えの良い大きなボディーフックをバカスカと放ち、岡田の攻勢を消し飛ばしてしまう… 見栄えとクリーンヒット数で上回ったのは川村か? しかし、ポイントは失うも、大きな被弾にめげることなく、的確なショートブローを打ちこみ続けた岡田、川村のスタミナを徐々に削り取ってゆく… 川村10-9
4R やや劣勢の岡田だが、その丁寧にして的確なショートブローをねじ込み続けてきたわけであるが、徐々に、川村の背中が丸みを帯びるまでになtってきた… その鋭いボディーショットに川村は腰が折れ、下がり始めた… 効いてる!!! 岡田10-9
5R やや挽回しつつある岡田であったが、川村のフルスイング、その右フックをいきなり喰って大きくバランスを失った… 岡田、効いた!!! 危ない!!! 岡田はロープに縋りつきながらダウンを回避するも、これに続く川村の猛攻撃にさらされる!!! 倒されちまう!!! 危ない!!! が、その猛攻の最中、岡田のショートボディー、あるいは、鋭いアッパーカットに川村の攻撃が寸断され、逆に、下がり始めたのだ…!!! 川村、効いてる!!! 岡田が息を吹き返し、執念の右ブローを川村の顎先に打ち下ろす!!! さらに、追撃のボディー打ちを連発!!! 川村の腰が折れる!!! 効いたぁ!!! 岡田10-9
6R 川村、苦しい… ガードを固め、我慢の戦いが続く… 腹部への被弾の度、どうしても背中が丸くなってしまう… 相当に効いている… 岡田はそんな川村のガードを割るアッパーを一発、二発、三発…と連打してロープを背負わせた!!! 川村、執念のボディーを大胆に打ち返すも、これにカウンターの右フックを合わせる!!! 岡田、倒せる!!! 岡田10-9
7R 岡田の右!!! 川村は力をため込むようにガードを固めて一発一発執念のボディー打ちで反撃!!! が、岡田は怯まない、そして、的確なるショートアッパーを随所にねじ込み、左ボディー!!! 岡田10-9
8R さて、僕の採点では岡田の的確がついに川村に追いついたことになるが、しかし、公式の採点は解らない… 川村の大きなフックは物凄く大きな弧を描いて、物凄い音を立てて岡田に打ち込まれてもいたのだ… しかし、精度と的確さで上回っていたのは岡田で、また、その執拗なまでのボディー打ちに背を丸めてしまったのは川村である… が、岡田も度々意識が飛んでもおかしくない被弾も重ねていたわけで、両者の消耗は互角…とも言えた…
川村、僅差の状況を把握してか、捨て身のアタックを仕掛けてきた!!! 背を丸めてガードを固めて大きなボディーフックを岡田に打ち続ける!!! 岡田も頭をつけた状態でしぶといボディー打ちで迎撃!!! このラウンドを獲った方が勝ち!!! そんな空気を両者は熟知している!!! 意地と意地、執念と執念のボディー打ち合戦!!! 会場は燃え上がる!!! 消耗戦の極致、両者、俵に足が掛った状態での凌ぎ合い!!! しかし、ショートパンチの幅と的確さで一枚上手だったのは岡田であった… その命中精度の高いアッパーカット、これに続く右ショートパンチ… 熱戦の終了を告げるゴングが鳴る… 岡田10-9
HIGEGE91の採点 77-75 勝者、岡田誠一!!!
公式の採点 77-76 78-75 78-76 「3-0」のユナニマスデシジョンで、勝者、岡田誠一!!!
いやぁ、岡田選手、これは強い… 川村選手の粘り強さも凄まじかったが、岡田選手はその上をゆくしぶとさを発揮しながら、さらに、的確さを秘めているのだから驚異的…
日本チャンピオンはサウスポーの三浦選手ですが、怖い怖い最強挑戦者…という印象を植え付けたんじゃないでしょうかね?
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09年、生観戦で一番印象に残ったのはこの最強後楽園決勝戦、スーパーフェザー級「岡田×川村」でしたねぇ…
岡田選手、いいパンチを序盤に喰って効いちゃいましたが、しかし、執念の追い上げで、際どいラウンドのポイントを、まさに、削り取って勝利したわけですが、ズバリ、物凄い『接戦』でしたねぇ…
かなり会場で叫びましたねぇ…
ってことで、ざっと振り返ってみましたが、皆さまは「誰と誰」のどの対決が心に残ったでありましょうか…?
世界戦よりも日本タイトルマッチ、日本タイトルマッチよりも日本タイトルマッチ挑戦者決定戦…っていうランキングになっちゃいましたが、やはり、テレビで見るよりも、ボクシングは会場で生観戦した方がとても強烈にして燃え上がれますねぇ…
御愛読感謝
つづく