「3階級制覇」という一語のなんたる空虚感… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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興毅、3階級制覇へ!未知の減量 サンケイスポーツ


亀田興選手の「3階級制覇」を目指すという記事がいくつか挙がっているようですが、まぁ、なんとも興味の沸かない話題であります…


WBA・WBCの両団体のそれぞれの「権威」が地に落ちかけているという現実もありますが、しかし、それでも歴代の日本のチャンピオンたちの「激闘」を想うと、亀田興選手の「実績」は内容的にはまだまだ『薄い』というか、なんというか、言ってしまえば『肩書き』と『数字』だけの…って感じちゃいますし、そういう意味では、過去の歴代世界チャンピオンたちと同列以上として扱うことには違和感が残る…


階級下だったランダエタと2度しか戦っていないWBAライトフライ級が1階級目で、その第一戦はまぁ社会問題になってしまったほどの危うい判定勝ち…


そして、内藤大助選手を判定で破ったWBCフライ級が2階級目でありますが、こちらは立派に判定勝ちしたものの、しかし、こう言ってはなんですが、亀田興選手の対戦相手で初めて骨のある相手…という印象はありましたが、僕はやや温室培養のきらいのある亀田興選手が勝てるはずが無い、また、我らが三十路の星、内藤大助が負けるはずが無い!!! なんどと思い込んでいたら見事に粉砕されて驚きましたね…


この「内藤相手に勝利」実績は輝かしいものでありますが、しかし、初防衛戦でポンサクレック相手にいいところなしの判定負け…


さて、「3階級制覇」を目指す…という最近の記事への違和感ですが、過去の歴代のチャンピオンたちの「激闘」を想うと、内藤戦以外(内藤戦でさえ日本タイトルマッチとの揶揄もあったが…)、世界戦としてのクオリティーの低さ、組み合わせの微妙さ、内容のつまらさな…がやけに目に付く、とはこれ、僕だけの印象ではあるまい…


しかし、井岡さんや畑山さんや、そして、ファイティング原田さんたちと同じ「2階級制覇達成」…とは、字面上は同列であるわけですが、しかし、ボクシングマニアの立場としては「声高」に謳うことには違和感があるのは隠せない…


だが、これは亀田陣営とそれを思い切りサポートバックアップしつづけたTBSという悪劣テレビ局の戦略であり、また、世界的傾向の一旦でもあるわけだから(しかし、とはいえ、世界各国のどの世界チャンピオンたちも血みどろの命懸けの戦いを果たし、それをファンも熟知しているわけですが…)、なんだかどうにもならない…という印象が残ります…


ただ、日本人前人未到の「3階級制覇」(ファイティング原田さんの幻の3階級制覇の不可思議判定は度々文章で読みますが、本当に惜しかったのでしょうねぇ…)、微妙なる王座決定戦や日本人対決で達成されるようなことがあると、ちょっとげんなりしちゃいますが、それでも、「字面上」は事実となってしまうわけですね…


とはいえ、やや衰えた…といわれる今のポンサクレック相手にまるで歯が立たなかった亀田興選手、ドネアやカサレスなどと戦って勝利できるか?といえば、まぁ、危ないでしょうね…


世界的潮流として、同一タイトル連続防衛<複数階級タイトル獲得<他団体王座統一戦<大物同士によるビックマッチって時代ですから、わからんでもないですが、とはいえ、亀田兄弟に関してはあまりにもその足跡が微妙すぎてしまうのは確かですね…


さて、で、こんなニュースを読みながら思い出したのはいつかの達人先生との会話だ…


達人先生とは、その人生の大部分を「ボクシング観戦」に捧げた、ボクシング観戦の賢人のような方であります…


で、話を戻します…


今年4月30日に行なわれたWBC世界バンタム級タイトルマッチ、チャンピオンの長谷川穂積選手が11度目の防衛戦の相手に迎え撃ったのは現WBO世界バンタム級チャンピオン、正真正銘の「3階級制覇チャンピオン」、メキシコの激闘ボクサー、フェルナンド・モンティエルであった…


この夜の日本武道館を満員にしてのは、ただ、「本物」が観たい…と集まったボクシングファンであった…


結果は長谷川選手の4R終了間際のTKO負けとなったが、しかし、この夜の興行でありますが、日本ボクシング史上に残る素晴らしい「歴史的第一歩」となった他団体王座統一戦開催という画期的側面を備えており、また、スリリングの極みもいえる国内史上最高の極上の10数分間の誕生となったわけであります…


敗れてもなお、それでも満足、その潔さに感服、長谷川穂積よ、その評価は全く変わることなし、いや、今以上に君の素晴らしさを改めて気づかせてもらえたような気がする…なんて評価も多かったのではないか?


で、この、歴史的タイトルマッチの試合会場に、亀田興選手の姿もあったという…


この時点で、すでに、暫定チャンピオンのポンサクレックにタイトルを奪われていた…という前提があります。


---あのね、私は見たのですよ、あの日本武道館で亀田興毅くんを… 観客がチャンピオンを心の底から讃え、そして、対戦相手にも最高のリスペクトし、そして、最高の試合内容を前にして、選手と観客は見事なまでに感動的な『一体感』が生まれたわけですが、ここに亀田興毅選手は何を想うのかな?と思ったわけです… つまり、自分の試合には観客が集まらず、また、この武道館に集まる観客たちのように「本物」に期待するような熱狂が存在していない…ってことを、きっと勘のよい亀田興毅くんは理解していると思ったわけですね、さて、彼はそれでもなお、何を求め、目指してゆくのでしょうかね…?なんて、思ったわけです… うらやましいと感じたのか? 今に見てろよ、と思ったのか? さて、どう感じているのかな、と思ったわけです、ね、面白い話でしょ…?


実に、面白い考察ですねぇ…


亀田興選手、一体どこへ向かい、何を想っているのか…?


自分は「偽者」なのか…?


自分は「本物」として扱われていないのか…?


さてさて、少なくとも、ボクシングファンの「全て」が認めているわけではないのは確かだ…が、どんな気持ちで悶えているのでしょうかね…?


---「夢の3階級制覇」か…


さて、しかし、なんと空虚感の漂う、「夢の…」でありましょうか…


この記事を読むに付け、そんなことを思いました。


御愛読感謝


つづく