いよいよ具体的に動き出した感ありますね…
みなさま御存知の通り、現在、日本のコミッション及び協会が承認しているのは老舗団体であるＷＢＡとＷＢＣの２団体でありますが、しかし、かつては新興勢力であったＩＢＦとＷＢＯの２団体は今や老舗２団体を凌ぐ権威と充実を誇っており、また、世界的にもメジャー団体として堂々と認知されているわけでありまして、しかし、日本は頑なにこの２団体の承認を拒否し続けてきたわけですね…
その理由とは、世界チャンピオンとは本来１階級一人であるべきで、４団体にそれぞれ世界チャンピオンの存在を認めるとなると、その「権威」が薄れてしまう…なんてことが大義名分として存在していたわけでありますが、しかし、今やＷＢＡはスーパーチャンピオンに暫定チャンピオンに休養チャンピオン…と1階級に最大4名もの世界チャンピオンを存在させる挙動不審状態、また、ＷＢＣもダイヤモンドチャンピオンにシルバーチャンピオン…と、「チャンピオン」の冠を複数存在させる始末…
権威などまだまだ確立されてなどいない…なんて扱いを押し付けてきたＩＢＦやＷＢＯの方が今やその運営の透明性は一目瞭然…という逆転現象が発生している状態なのですねぇ…
王座乱立による権威の低下喪失…はもはやＩＢＦ・ＷＢＯタイトル承認拒絶の大義名分とはなり得ないのが現状であります…
さて、もうすぐ敵地ロシアに乗り込んで日本未公認団体のＷＢＯタイトルに挑むのは元ＷＢＡ世界スーパーウェルター級暫定チャンピオンの石田順裕選手でありますが、日本のコミッションが未だＷＢＯを認めていないので、なんと「引退届け」を提出した上で海外の敵地挑戦に臨むわけでありますが、ちょーっと不条理なものを感じる方が多いはず…
ざっくばらんに申し上げてしまえば、１階級に4名も世界チャンピオンが存在するＷＢＡバンタム級、正規チャンピオンの亀田興選手のタイトルマッチの質の悪さ、その極端なる安全路線にボクシングファンはおろか、一般視聴者もあくび連発、プロボクシングの「切実」と無縁なる茶番とまで酷評されている現実が存在している一方で、しかし、文字通りの命懸けで敵地での大勝負に挑む石田選手が国内でプロボクサーとして存在し得ない…という奇妙なる現実、これらの捩れ現象にボクシングファンは少なからず腹を立てております…
そして、世界的潮流としては、もちろん、世界タイトルは珍重されるべきであっても、今や、その権威の高め方と言うのは防衛回数もさることながら、他団体世界チャンピオンとの戦いを制することで、また、仮にベルトが掛かっていなくとも、いかなる強豪といかなる戦いをしたか…？という意味での、勝負の本質が問われ、さらに、そこをマニアは評価してゆく傾向にもあるわけですね…
現在、国内ボクシングファンに忌み嫌われている印象のＷＢＡでありますが、現役世界チャンピオンとしてスーパーフェザー級の内山選手とミニマム級の八重樫選手、そして、バンタム級の亀田興選手が存在しているわけでありますが、強硬路線を主張するファンの中には、ＷＢＡのチャンピオンが存在しなくなったらすぐにも脱会すべき…という大胆な意見も珍しくないのが現状…
順当に行けば、ＩＢＦとＷＢＯは近いうちに承認されることになりますが、さて、しかし、今や世界チャンピオンは昔と違って「顔と名前が一致」しないのが現実、ここに、さらに新しい団体が登場するとなれば、マニアではない一般に皆様には多少の混乱が生じるとは思いますが、ここは頭でっかちに考えるのはやめるがよろしいかと存じます…
冠がいかなる形であろうとも、「名勝負」が誕生し続ける限り、それは万人の感動を呼ぶはず…と信じております
これは楽観的過ぎる見方だとは承知ですが、しかし、今の閉塞感と矛盾・不条理に一度風穴をこじ開ける意味でも、賛成するほかない…とは僕の今の気持ちであります…
御愛読感謝
つづく