ボクシング人気は復活したのか? について… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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世界チャンプ8人。ボクシング人気は復活したのか? スポルティーバ


我々ボクシングファンには非常に気になる話題…


お書きになったのはボクシング評論・解説の、原功さん…


世界チャンピオンの顔と名前が一致しなくなってどれ位経ちましたでしょうか?


WBO&IBFが承認されるにあたって、どんなことが懸念されてくるのでしょうか?


ボクシング界は、この、規律と権威の問題を、いかにして堅持してゆくのでしょうか?


いろいろ想うところありますが、ちょっと興味深い記事なのでご紹介リンク貼っておきました…


仕事、仕事っ!!!


以下はその原文…


>昨年の大晦日――。東京で3試合、大阪で2試合、計5試合もの世界戦が日本で開催され、チャンピオンふたりが防衛に成功、3人の新チャンピオンが誕生した。これで日本人の世界チャンピオンは『8人』となった。しかし、チャンピオンの増加が日本ボクシングの質の高さを示しているとは言いがたく、現在、日本ボクシング界が抱える課題は決して少なくない。

 一見すると隆盛にみえる日本のボクシング界だが、はたして世界チャンピオン8人の名前をすべて言える人が、どの程度いるだろうか。スポーツ好きの友人や知人に聞いてみるといい。その結果が、現在のボクシング人気を計るバロメーターといえる。

【日本の男子世界チャンピオン8人】

内山高志(ワタナベ) → WBAスーパーフェザー級
亀田興毅(亀田) → WBAバンタム級
山中慎介(帝拳) → WBCバンタム級
河野公平(ワタナベ) → WBAスーパーフライ級
佐藤洋太(協栄) → WBCスーパーフライ級
五十嵐俊幸(帝拳) → WBCフライ級
井岡一翔(井岡) → WBAライトフライ級
宮崎 亮(井岡) → WBAミニマム級

※カッコは所属ジム

 昨年の大晦日がそうだったように、近年、日本で開催される世界戦は『ダブルマッチ』、あるいは『トリプルマッチ』がほとんどである。豪華になったともいえるが、その裏には世界戦開催に関する苦しい台所事情があることも忘れてはならない。

 現在は単独の世界戦で多くの観客を集めることが難しくなっているだけでなく、試合を放送するテレビ局は「世界戦1試合だけの放送」を敬遠しがちだ。特に生中継の場合がそうで、短時間で勝負が決したときのリスクを避ける傾向がある。また、真剣勝負ゆえ、思わぬ凡戦になる場合もあり、そのリスクも回避するために複数の世界戦を放送するという事情もある。

 いずれにしても、開催費用の多くをテレビ局に依存している現状では、局の意向に沿ったイベントにせざるを得ないわけだ。昨年ドイツでは、大手プロモーターがテレビ局から年間2000万ユーロ(約23億円)という莫大な放映権料を打ち切られて破綻した。こうした事例を、対岸の火事として見過ごすわけにはいかない現状が日本にもある。

 こうした折り、日本ボクシング界はWBA(世界ボクシング協会)、WBC(世界ボクシング評議会)に加え、これまで非公認だった後発の統括団体IBF(国際ボクシング連盟)とWBO(世界ボクシング機構)を解禁する方向で最終検討に入っている。選手にとっても、関係者にとっても、チャンスが広がることになりそうだが、手放しで喜んでもいられない。

 今でさえ、バンタム級(WBA=亀田、WBC=山中)とスーパーフライ級(WBA=河野、WBC=佐藤)で、日本にふたりの世界チャンピオンが存在するというのに、今後は同じ階級の世界チャンピオンが、日本に最多で4人誕生するという事態も考えられるのである。同じ階級に日本人チャンピオンがぞろぞろと生まれてしまっては、これまでのような「内輪の事情、ビジネス上の事情」という言い訳では通用しなくなるだろう。ファンに愛想を尽かされないような策を講じる必要に迫られることは間違いない。

 今後、チャンピオンが乱造され、試合の質が低下すれば、『プロボクシング』というイベントも世間のふるいにかけられることになるだろう。数ではなく、質の面でどれだけ『ホンモノ』を提供できるか、そこにボクシングという競技の生き残りがかかっている。

 IBFとWBOの認可に際し、粗製乱造の世界戦を阻止する意味で、日本ボクシングコミッション(JBC)は「世界挑戦の資格を、日本あるいは東洋太平洋王座の獲得者に限定する」という内規を採用することになりそうだが、その効果は期待できない。なぜならば、2012年に限ってみれば、国内外で世界に挑戦した選手9人全員が、すでにこの規定を満たしているからである。これでは、実効性は極めて薄いと言わざるを得ない。

 それでいて、20年間に37連敗中の海外での世界挑戦には、「内規を適用しない」というのだから理解に苦しむ。粗製乱造を防止するならば、海外での世界挑戦にこそハードルを設けるべきであろう。このままでは「有名無実の内規」と言われても仕方ない。

 こうしたさまざまな理不尽や、矛盾を一般向けにどう説明し、いかに処理していくのか――。難問山積の中、JBCと日本プロボクシング協会の舵取りが注目される。

御愛読感謝


つづく