ベルト権威低下の懸念!? を想う… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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ボクシング、海外で世界挑戦の流れ加速 ベルトの権威低下の懸念も 産経新聞


>プロボクシング男子の世界戦の試合数が増加している。今年4月から9月の半年間に24試合(予定を含む)が組まれ、昨年1年間の23試合をすでに超えた。なかでも海外での世界挑戦が急増している。日本ボクシングコミッション(JBC)が世界ボクシング機構(WBO)と国際ボクシング連盟(IBF)に加盟した今年4月以降に実施された世界戦19試合のうち8試合は海外が舞台。世界挑戦のチャンスが広がった影響がはっきりと表れている。

~略~

 

 現在、国内のジムに所属する現役世界王者は史上最多の9人。「これだけ増えれば、ベルトの価値が下がる」。あるジムの関係者が警鐘を鳴らす一方で、日本プロボクシング協会の大橋秀行会長は「ボクシングはグローバルなスポーツで、これが本来の形。日本だけじゃなく、海外の市場にも入っていけるチャンピオンが出てきてほしい」と期待を寄せている。


…ふうむ


権威の低下、これはIBFとWBOの承認問題を語る上で常に挙げられてきたことであり、また、亀田兄弟のような「異端」の闊歩をさらに助長することも実は解っていたこと…ですね


そして、亀田和選手は日本国内では世界挑戦の内規を満たしておらず(日本or東洋太平洋タイトル未獲得)、従って、わざわざ中立国のフィリピンで興行を立ち上げてWBO世界タイトル獲得をしたわけですが(チャンピオンだったアンブンダが資金力に乏しいアフリカ系であることも背景にあり、実に絶妙でありました)、世界チャンピオンになってしまったから、もう日本国内でも防衛戦は可能となってしまいましたね…


また、もうすぐ開催のIBF王座決定戦に出場の亀田大選手もこの恩恵にあずかっている…と言っても過言ではないでしょう


さて、単なるテレビ視聴者レベルのスポーツファンにはこのチャンピオン乱立が奇妙に映るかもしれませんねぇ…


だって、バンタム級だけで3名も日本国内に存在しているわけです…


WBAは亀田興選手、WBOは亀田和選手、そして、WBCは山中選手…なわけですが、しかし、これ、兄弟対決はNGにしても、山中選手×亀田兄弟ならば世界チャンピオン対決ならば一般層の多くの方々が興味を示す好カードの実現となるのでしょうが、どうもその機運が生まれないから世界タイトル乱立だけが印象に残ってしまうし、「権威低下」がより顕著になってしまっているような気がしてしまうわけですねぇ…


ただそれだけで、価値があった世界タイトル…の時代は、時すでに、終焉を迎えております


先の山中選手でありますが、今、一番戦いたいのは亀田興選手よりも格上の「スーパーチャンピオン」として君臨する(そもそも、このスーパーが並立しちゃうWBAってのは奇妙ですが)、パナマの名チャンピオン、アンセルモ・モレノと戦いたい…と公言しています


そして、もっともっと強い相手と戦いたい…と公言しているのはWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山選手…


敗れるかもしれないが、しかし、自分を試したい、ガンボアと戦いたい…と内山選手の声を聞いたこともありますが、ファンも関係者も「本物」と認めるチャンピオンたちはチャンスさえあればその危険な対戦相手との戦いに身を投じる覚悟があるのを感じますねぇ


しかし、ボクシングの世界は興行ビジネスの世界でもありますので、選手の希望だけでどうこうなる話ではないのは御存知のとおりですが、その「本物のチャンピオン」の心意気がより反映されるマッチメイクの実現こそが、ファンが求める質の向上に繋がることであり、「世界チャンピオン対決」こそが、一番明快なる『権威低下』の問題を解消する唯一の道…でもあるわけですねぇ


で、先のチャンピオンを「本物」のチャンピオンと評したからには、「偽物」と揶揄されるチャンピオンも存在するのが実態…


WBA世界バンタム級「正規」チャンピオンの亀田興選手がその最たる存在…


そもそも、同じ団体、同じ階級にスーパーチャンピオンのモレノが存在しているわけですが、これに悪びれることもなく、微妙な対戦相手との王座決定戦で勝利、微妙な防衛戦相手と超消極的な戦いで薄氷の防衛も珍しくなく、毎度毎度つまらない試合ばかりをお茶の間に届け続ける「世界のボクシングの看板汚し」的なチャンピオンとしてお馴染ですよねぇ…


山中選手がモレノと戦いたい…なんて言ってるのを聴いたら、「それは俺の仕事や」くらい言っていただきたいものですが、まぁ、触らぬ神に祟り無し…じゃぁありませんが、最近はビックマウスもすっかり消えて、すっかりスモールマウス(笑)が板についておりますが、つまり、この際、我々ボクシングファンは声を大きく「つまらんものはつまらん」、と批判すべきだと思いますねぇ


亀田兄弟なんぞボクシングではないから無視すればよい…まぁ、それも一つの批判の形態でしょうが、これまでの業界の対応なんかを鑑みると、見て見ぬ振りが常道ですので、僕はなるべくその姑息さと退屈さを御指摘させていただきますが…


で、亀田兄弟の狡賢さの影に隠れていますが、WBA世界ライトブライ級チャンピオンの井岡選手も実は狡賢い面がある…


八重樫選手との世界チャンピオン対決を制したところまでは良かったが、これを返上して時のWBAライトフライ級チャンピオンのローマン・ゴンザレス(日本で新井田選手と高山選手を撃破した超強豪チャンピオン)をスーパーチャンピオンに格上げさせて(WBAだから成し得た裏技)、そして、王座決定戦出場を実現、勝ったらこのゴンザレスと戦うことを前提であると報じられていたわけですが、しかし、いざ戴冠を果たしたらチャンピオン対決を回避、それもゴンザレスに待機料(おめこぼし料?)を支払って勘弁してもらった…ということで、これを「本物」とは呼びたくない気持が僕には根強くありますねぇ…


だって、ズルイでしょ?


世界チャンピオンという崇高なる存在には、「潔く」あって欲しい…


潔くないんじゃ世界チャンピオンだなんて呼べないじゃん…って、思いませんか?


堅苦しく言えば「権威低下」…


もっと簡単に、平たく言っちゃえば、「そんなの擬似チャンピオンでしょ」…


この産経新聞の記事には世界戦が増えた要因のひとつに、IBF・WBO承認で門戸が開いたことと、海外での敵地挑戦のチャンスも広がり過ぎているっぽいことを上げていますが、まぁ、これは敵地で勝ってきたら素直に認めてあげれば(内容次第ですが)よいと僕なんか思いますし、海外挑戦自体そのものと権威低下は直結はしないと思いますけれど…


敵地メキシコでIBF世界ミニマム級チャンピオンを撃破した高山選手、敵地タイでWBA世界フライ級暫定チャンピオンを撃破した江藤選手の快挙を「権威低下」の一端…とは評価するのはおかしなことですね


ボクシング発展の指針、要は単純明快、「本物」を見極めること、そして、「本物と本物」の対決をより多く実現すること…


基本的にはこれに尽きますねぇ


そして、ネットの発達したこの時代においては、ボクシングビジネスにおける「ズル賢さ」はもはやファンに筒抜けであることを関係者は理解すべき…


誤魔化しを廃し、わかりやすく、「本物の戦い」を提供していただければ、と思います


先日、日本でもお馴染の、あのジョニー・ゴンザレスがWBC世界フェザー級チャンピオンの、無敗のアブネル・マレスを初回KOしたというニュースを聞きましたが、つまり、これがボクシングなんですよねぇ…


これが痛快なるボクシングの醍醐味であることは疑いようがない…


海外では本物の世界チャンピオンがまさかの敗戦を喫するわけですね


あのファンマも、カーンも負ける…


パッキャオでさえ連敗を喫する(ブラットリー戦は勝っていたと思いますが)…


これ以上濁さないでいただきたい…ですね


さて、ちょっと批判してしまった井岡選手ですが、来年には解りやすく「怪物」の挑戦を受けていただければなぁ…なんて思います


ゴンザレスよりは受けやすい…でしょう!?


井岡選手ファンの方には不愉快な発言でしょうが、世界チャンピオンはこの程度の揶揄を甘んじて受けるべきだと思いますし、こんな妄想や揶揄することもボクシングファンの密かな愉しみでもある…


実現さえしちゃえば「権威低下」も消えてゆくはず…、つまり、「面白ければ権威もへったくれもない!!!」…ってことで、これを結論とさせていただきます!!!


御愛読感謝


つづく