>【今だから語れる涙と笑いの酒人生】
お酒が大好きというボクシング元WBA世界スーパーフライ級王者のセレス小林さん(46)。引退後はボクシング解説も務めるが、ジムの会長として酔っぱらって大事な試合の前に大ケガした時も……。
◇ ◇ ◇
お酒は好きで、今は毎晩飲んでますよ。現役の若いころは試合の2カ月前からは飲みませんでしたけど、試合が終わった1週間後からはもう飲みますね。お疲れさま会で飲みに連れていってもらう機会も多かったですし。
若いころはビールばっかり。延々とビールを飲んでましたね。ジョッキ10杯は全然イケますよ。ビールのあとは焼酎も。太ったりはしなかった。酒は強い方ですね。ただ日本酒は昔も今も飲めない。体質に合わないのか、飲むと体が熱くなっちゃうんですよ。
でも、戦歴を重ねてタイトルマッチが組まれると、当然飲む機会は減りました。集中する期間が長くなりますから。世界チャンピオンになるとお付き合いの回数が増えたので、試合後の飲む回数が逆に増えた。試合ではなくて、酒席で記憶をなくした方が多いかも(笑い)。
引退後、03年に自分のジムを始めましたが、酒で失敗したのは6年くらい前。うちのジムで世界王者になった岩佐亮佑が東洋太平洋の王者に挑戦する1週間前でした。スパーリングもすべて終えて、いい仕上がりだったんですよ。だから、すごくうれしくて!
「ああ、いい仕上がりだ!よかった」とその夜、コーチと飲みに出かけてしまった。安心感から深酒してしまい、2階の店から1階のトイレに行こうと階段を下りようとして足を踏み外し、上から下まで転がり落ちたんですよ。
顔はかすり傷だらけ、さらにアバラ骨が折れた! そのせいで肺が傷ついて空気が漏れちゃって……。病院に担ぎ込まれコルセットを巻かれ、「これ以上、空気漏れたら入院だから」と医者に言われて。試合でもこんなダメージないですよ。選手の岩佐には「何やってんスか!」とすげえ叱られ、「トレーナーとはいえ、試合前に深酒しちゃダメだな」と反省しました(笑い)。
1週間後、骨は折れてるけど、どうにか試合に行き、試合前に岩佐のミット打ちも受けました。メチャメチャ骨に響き、激痛。セコンドも務め、岩佐が勝ってくれたのでよかった。負けてたら一生言われますね。
■“チャンピオン会”のガッツ石松、具志堅用高らと飲むことも
今、日本テレビでボクシング解説をしているので、収録が終わってからスタッフや解説の飯田覚士さんや浜田剛史さんと酒席をともにします。浜田さんはまったく飲まないんですけどね。
日本の世界チャンピオンが集まる“チャンピオン会”があるんですけど、今はその役員の集まりで飲むこともあります。会長は今、ガッツ(石松)さんです。具志堅用高さんも飲みますけど、先輩たちは優しくて、穏やかな酒席です。僕は酒癖悪いといわれているボクサーとは飲まないので。怖いから(笑い)。
仕事終わりに、近くの行きつけの居酒屋か、自宅で飲みます。どちらもひとりが多い。居酒屋ではカウンターで店の人と話しながら飲み、そのあとも行きつけのバーでハイボール。
ジムを始めて16年くらいになるので、もう引退している元プロが多くなってきた。そういうOBは現役中は飲まなかったから、今、彼らと飲めることが楽しい。
OBの中には飲み屋を始めた人もいる。ラーメン屋さんもいる。僕は“教え子”たちの店をひとりでハシゴ飲みするという楽しみができました。それはうれしいことですね。
…セレス会長、すごく 不思議な強さを持った世界チャンピオンでした
デビュー戦は黒星、日本タイトルも3度目の挑戦でやっとの戴冠
が、そんな試行錯誤の中で、セレスさんは誰にも出来ない独自のボクシングを編み出して行く…
なんと言いますか、繰り出すパンチの一発一発がナチュラル・カウンターのタイミングになる、と言いますか、独特なるリズムとタイミングから放たれるパンチが奇妙に当たるんですね
鋭さとかスピードはあまり感じない
が、サウスポーのセレスさんにしかないタイミングがありましたなぁ
伝説の日本タイトルマッチの一つ
vs. 石原英康 戦
無敗の超ホープであった石原さんを日本チャンピオンだったセレスさんが返り討ちにした一戦…
強かったなぁ
あぁ、世界初挑戦 は
vs. マルコム・ツニャカオ 戦
これも伝説的なる激闘の判定ドロー
で、複数階級制覇のレオ・ガメス を破って王座戴冠っ‼︎
さらに…
日本ボクシング史上に残る、伝説的なる 王座陥落…
vs.アレクサンドル・ムニョス 戦
日本でも馴染み深いムニョスですが、セレスさんと戦った時が1番強かった
全勝全KOのパーフェクト・レコードを引っさげて挑んできた挑戦者でした
あぁ、倒れても倒れても這い上がるセレスさんの チャンピオンの矜持 は神々しすぎますっ
涙無くしては見られません
セレスさんは 天才的でも、フィジカル的に人より特に優れていたわけではなかったような気がします
が、努力の果てに その間合いとタイミングを駆使した誰にも真似できない独自の セレス・ワールド を編み出したところに凄みを感じます
そういう意味では努力の天才と呼べるのかもしれませんね
そんな、今のセレスさんの楽しみが、自身のジムから巣立ったOBたちのお店を1人ハシゴ…なんて、なんか、しみじみと、じわ〜っと感じちゃいますな
さて、岩佐選手、もう一度、世界チャンピオンになれるかなぁ〜
もう一度、セレスさんの、vs.ムニョス戦を観てから挑ませたいなぁ〜って、つい感じちゃいますが、果たして…⁈
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