さて、大晦日決戦まで約一週間になりました
いま、日本で組み合わせられる最高の黄金ガードの試合予想をしてみます
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
チャンピオン 井岡一翔
×
挑戦者 田中恒成
4階級制覇チャンピオン × 3階級制覇チャンピオン
31歳 × 25歳
さて、まず、チャンピオン井岡選手を評すならば、ソリッドなる精密機械的、攻防一体型ボクサーファイターか…
で、挑戦者田中選手を評するならば、超ハイスピードなる攻撃特化型の、距離感駆使のボクサーファイターか…
最初に、双方の攻撃力を考える
井岡選手は、正確無比なるジャブとボディブローを持ち、ダメージを徐々に蓄積させてゆく、いわばじわじわと削り落としてゆくヤスリ型…
一方の田中選手は、大味なるカウンターと大胆過ぎるほどの中間距離からの強打も駆使、かと言って、接近戦も辞さない一発もあるライフル型か…
で、双方の足を考える
井岡選手は踵に重心を残すほどの、無駄な動きを極端に排した、研磨の限りを尽くした極められたる最短距離を選べる黄金の鈍足…
一方、田中選手は爪先に重心を置き、常に止まることのない滑空と出入りを生かし、瞬間から瞬間を駆け抜ける、波状を極めた羽根の生えた俊足…
さらに、双方の防御を考える
井岡選手は常に掲げられた硬いガードを有し、また、致命的なる被弾を喰らう確率は極めて低い安定型…
逆に、田中選手は大胆なる攻撃性と殺傷能力を披露する代償として、被弾のリスクを負うためやや粗雑型と言えるか…
そして、双方のキャリアを考える
井岡選手は25W14KO2Lの重厚なる戦績を誇るも、キャリア中盤まではやや作られたマッチメイクの匂いも残る 一旦引退して復帰、自身の父親経営のジムから移籍後は海外転戦も辞さず、私生活も含め、今がキャリア1番のピーキングにあると考えられる
一方の15W9KO無敗の田中選手は僅か12戦で3階級制覇を成し遂げるも、いまだ国内の域を脱せない苦悶の中にある 世界チャンピオン木村翔選手を破り、ライトフライ級を極めた田口良一選手を破って日本フライ級最強を証明するも、海外の名のあるボクサーとの対戦は希薄、さらなる評価の獲得と躍進に燃える途上にあると考えられる
で、双方の性格を考える
井岡選手は、奇をてらわず堅実…を是とするように思える 荒ぶらず、冷静であることをよしとする
一方の田中選手は、大胆性と気迫の燃焼…を是とするように思える 感情の爆発と躍動をよしとする
で、2人の違いを2つ
井岡選手はこれまでに2敗していて、田中選手は未だ無敗…
井岡選手はスーパーフライ4戦していて、田中選手はテストマッチなしのぶっつけ本番…
これらも戦前予想するには大きなファクターとなりますな
…さて、僕の分析はこんな感じ
で、この2人を、頭の中で激突させる
井岡選手が距離を潰しにくるのは間違いないだろう
田中選手は待ち受けたくはないが、受け流しながら強打炸裂の機を狙う展開にならざるを得ないのでは…⁇
田中選手は自分主導で出入り駆使の波状攻撃をもって展開をコントロールしたいが、ガードの硬い井岡選手の最短距離を貫くジャブと無駄のない足捌きと距離潰しの前にそうやすやすとは自由を得られまい
で、井岡選手のジャブの相性が抜群によく、田中選手の顔面がすぐに腫れるようならば、田中選手の勝ち目はかなり薄くなる…と思われる
あとは詰め将棋のごとく、中差から大差で井岡選手が防衛を果たすように思う
あるいは、中盤までに田中選手をKOしてしまうかもしれない
井岡選手の持つキャリアと冷静なる戦術重視のバランス感覚は圧倒的に堅固だ
…が、逆に、田中選手が井岡選手の左ジャブを苦にせず、その単調なる距離潰しを逆手にとり、見栄えの良い大味なるカウンター迎撃を果たせる展開に持ち込めれば、いつかの田口戦のようにポイントを積み重ね続けながら、途中、いくつかの試練もあるだろうが、それでも、ポイント優位の状態でゴールテープを切ることが出来るかもしれない
が、井岡選手相手に、KOは難しい気がする
…と、これが僕の双方の勝ちルートのイメージ
…で、最終的な僕の戦前予想は
田中選手の11RKO勝ちによる王座獲得‼︎
ややや、先の分析予想と全然違うじゃん⁈
…そりゃ、希望的観測も入るさ
ぶっちゃけ、僕は田中派だし
井岡選手のタトゥーも嫌だし
(^^)
あ、まぁ、それは個人の自由だけど
でなくて、こういうビッグマッチに期待をするのは、予想を裏切る衝撃、劇的なる結末なわけよ
本心を言えば、井岡選手の堅実と精密に田中選手が絡めとられる可能性はかなり高い…と思うさ
が、田中選手の可能性はこんなもんじゃない、と信じたい
そして、その未だ眠れる天性が、この井岡一翔という好敵手との手合わせによって、ついに覚醒する…という未来図が1番胸が躍るから、僕の予想は田中恒成の11R KO勝ちなのだ
このあまりに硬い硬い防御の達人を倒せば、一気に田中選手は開花する
井岡選手は完成されたボクサーだ
もう変わらない
あとはその研磨の精度が変わるだけ
が、田中選手はまだ未踏の域が眼前に広がっている状態だ
ポップ、ステップ…の位置にいて、もう、あとはジャンプするタイミングを待っている状態なのだ
で、果たして、跳べるのか…⁈
いや、ダメだ、そんなの
問答無用で、こう言いたい
跳べっ‼︎
未踏の域へ、跳べっ‼︎
井岡一翔を踏み台にせよ、そして、この好敵手の存在に感謝し、有り難く丸呑みし、細部まで吸収し、余すことなく消化せよっ‼︎
…と言いたい
田中選手、自身の動画で、みなさんの心を動かしたい…と語っていた
伝えたい、と
僕は田中選手のこの言葉の純度にベットしたい
みんな、どのアスリートもそう言うが、田中選手のそれは芸術家のそれに近い気概を感じた
田中選手の羨望は、あの井上×ドネアにあった
ボクシングって、あんなに人の心を動かすことができるんだ…
俺も、もっともっと、動かしたい
次の、次の、次の領域まで、みんなを連れていきたいっ…と、僕には心の声が聞こえた
あの激闘を観た田中選手の感想こそは、単なる格闘技としてのボクシングの拒否であり、共感と一体感を頂点まで高めることとしてのタイトルマッチ、人間の限界の体現、ある種の超越を芸術的に表現しようとする試みであり、その気概の発露であると僕は感じたのだ
ならば、僕はそんな田中選手の気概に賭けたい
そういう意味での井岡選手の芸術性を僕は感じたことはない
KO勝ちした後の勝利者インタビューでの、「カッコ良かったですか〜?」に、僕は正直違和感を感じていた
見られたいボクサー
と
伝えたいボクサー
の違いを、僕は見逃さない
さて、このような感情的思い入れがなければ、僕は井岡選手の判定勝ちを予想しただろう
でも、僕はそんな目に見えない田中選手の若い力、その飛翔の可能性の爆発を予想します
勝つ
田中恒成が、勝つ
そして、新時代の幕を開ける
いつまでも、中部の星 だなどと言わせてはいけない
井岡選手をキッチリ倒し、エストラーダやロマゴンと戦え
その道を切り開けっ‼︎
さて、昨日の新聞記事で練習を公開した井岡選手はこう言い放ってます
井岡「(勝利の) 自信が確信に変わった、格の違いをみせる」
まぁ、チャンピオンなんだから、これくらい言えなくちゃね
…見とれよぉ
あ〜
田中選手がストップ勝ちしたら、むちゃくちゃ痛快だろうなぁ〜
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