【追悼】孤高のギタリスト ジェフ・ベック 78歳で死去…によせて | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

あぁ

嘘だ

嘘だといってくれよ

嘘だぁ





ジェフ・ベックさん、78歳で死去 伝説的イギリス人ギタリスト BBC


> 史上最も多大な影響を与えたロックギタリストの1人とされるジェフ・ベックさんが10日、死去した。78歳だった。


ベックさんの公式ツイッターには、「家族を代表して深い悲しみとともに、ジェフ・ベックの死去をお知らせします」、「細菌性髄膜炎に突然感染し、昨日安らかに息を引き取りました」とする声明が投稿された。



あぁ、ジェフ・ベックは夢に出てくるくらい大好きなギタリストなんだ


あぁ


胸が痛いよぉ


魂が割れるくらい痛いよぉ


なんでなんだよぉ


日本ではエリック・クラプトンとジミー・ペイジと並んで「3大ギタリスト」なんて言い方されて親しまれてましたけど…


その中でも、もっとも「ロックギターの真髄」に肉薄し、それを体現されたのは紛れもなくジェフ・ベック その人であった…と


エリック・クラプトンはブルース・ロックの革新の後にあらゆる世代に愛されるポピュラーミュージック的なる大成功を収め、ジミー・ペイジはレッド・ツェッペリンを通じてそのブルース・ロックを最終形態まで突き詰めた究極コンポーザーとなった


で、ジェフ・ベックは…


延々と、しつこくしつこく、飽くことなく


「ロック・ギター」の弾き方、鳴らし方、そうだ、「心への響かせ方」にこだわり続け、ステージに立ち続け、研磨と研究の限りを尽くし続けた…


いわゆるヴォーカルがいるバンド形態を潔く棄て去り、ギタープレイがヴォーカル、すなわち、ロックギターが中心で歌うインストゥルメンタル・ロックの先駆となり、それを貫き続け、追求し続けた


まさに、最後の最後まで「前衛」であった…と


最後の最後まで「挑戦者」であった…と


溢れる


涙が溢れる


痛い


五感の全てが痛い


…ということで、以前、ジェフ・ベックについて書いたものを再収録します


〜〜〜〜〜〜


往年のレジェンドクラスのバンドやアーティストの、究極の一曲を、歯を食いしばって、たったひとつだけ選ぶ、という企画の第9弾ね


今回は…




ギター曲芸師 ジェフ・ベックっ‼︎

僕が一番好きなギター弾きの1人

そのギタースタイルは超絶技巧派にして超幾何学的アクロバティックな異端なる音感を発揮

フィードバック音を操り、ピッキングハーモニクスを多用、手元のヴォリュームを絞りながら演奏するヴァイオリン奏法を駆使、ピックを使わずに5本の指をフル活用してプレイ、さらに、極め付けはストラトキャスターのアームを操り、音階とメロディを奏でるという常識を覆すスタイルをも完成させてしまった

まさに、無限にして夢幻なるギター奏法の開拓者

ジェフ・ベックはロック界にてギターインストゥルメンタルを確立させた革新的存在…であります

いまさら説明も必要ないかと思いますが、元々、エリック・クラプトンの後釜として、ジミー・ペイジが在籍していたザ ・ヤードバーズに加入

その後、ロッド・スチュアートらとブルージィなハードロックバンド、第一期ジェフ・ベック・グループを結成、これがアルバム2枚を残して分解


よりファンク色の強いリズム&ブルースバンド、第二期ジェフ・ベック・グループへと移行するもこれまたアルバム2枚残して分解

で、元ヴァニラ・ファッジのカーマイン・アピスとティム・ボガードと3人組のバンド、ベック・ボガード・アンド・アピスを結成…も、これまたアルバム2枚(一枚は来日公演のライブ盤)を残して分解…


ジェフ・ベックは理想が高すぎるのか、あるいは飽きっぽいのか、とにかくバンドをすぐに潰してしまう

あのね、どのバンドもメチャクチャ優れてるのよ

個人的な感想だけど、でも、どのバンドも レッド・ツェッペリン には勝てなかった…とは思うし、もしかしたら、ジェフ・ベックはそんな立ち位置に悔しさと執念を燃やしていたのかなぁ、と想像します

そもそも、ハードなブルースロックという第1期ジェフ・ベック・グループのコンセプトをツェッペリンが踏襲し、いや、ざっくばらんに言えばパクッて膨らまして大成功を果たした…なんて見方もある

ロッド・スチュアートはロバート・プラントに決して劣らないスター性と実力を兼ね備えていた、が、その輝かし過ぎる個性がバンドの趣向性を阻んだのかも知れない

で、第二期ジェフ・ベック・グループは渋過ぎた

ブルースロックからやや距離を置いて、R&B、jazzやファンクの要素を取り入れて革新的だったが、なんというか、玄人好み過ぎた

ちなみに、僕はジェフ・ベックの残したアルバムで1番好きなのは第二期ジェフ・ベック・グループの、通称、「オレンジ・アルバム」だけど、まぁ、世間的にはマニアックなるアルバムの評価から抜け出せまい

で、ベック・ボガード・アンド・アピスはいつかの伝説的ロックバンド、クリームに近い3人編成のスーパーバンドで、ハードロック路線に回帰、スティーヴィー・ワンダーから贈られたというナンバー「迷信」はスマッシュヒットするも、やはり、ツェッペリンには届かず…

大衆性と個性と独創性の最高純度の融合をレッド・ツェッペリンが果たしたのに対して、ジェフ・ベックはずっと悔しさを滲ませていたのでは…⁇ とは、僕はずっと夢想してます 

さて、実際のところはわかりませんが…

で、ジェフ・ベックはついに純然たるロックギタリストとしての赤裸々なる挑戦、ギターインストゥルメンタルのアルバムを発表する

1975年発表の「ブロウ・バイ・ブロウ」はロック史上に燦然と輝く名盤となる


雷鳴に打たれたのか、あるいは、jazz、フュージョンに触発されたのかはわかりませんが、ロックギターによるアクロバティックなる奏法の確立と解放を成し遂げてしまうのだ

で、これ以降、ジェフ・ベックはソロアーティストとして、1人のギタリストとしての活動を続けており、今なお現役バリバリ、新作アルバム発表も目まぐるしいほどの活躍ぶりであります

…さて、いまや、生きるロックレジェンドにして、ロック史の教科書に欠かせない存在のジェフ・ベックでありますが、彼の長いキャリアの中から、墓場に持って行く覚悟で一曲だけ、究極選曲 をするならばどれをチョイスすべきか⁇

悩ましい

ん〜

ん〜


♫ハイウェイズ

先に貼った、1972年に発表された、第二期ジェフ・ベック・グループの、「ジェフ・ベック・グループ」、通称、「オレンジアルバム」に収録の一曲

僕の生まれた年ね、つまり、同い年のアルバムなわけ

あの、ぶっちゃけ、かなり地味な 究極選曲 になってしまっている、と思う

でも、好きなんだから仕方がない

さて、これ、イントロが最高にかっこいい

一気に空まで突き上げる疾走感から導入され、ふっとリズムが着地、ソウルフルなる歌唱が始まって…

あのね、ジェフ・ベックのギタースタイルに革新が起こるのはやっぱりソロアーティストになってからがより顕著だと思う

だから、この ♫ハイウェイズ のギタープレイも大好きではあるけど、ジェフ・ベックの神業的ギタープレイを味わうのに相応しい一曲とは言えない

しかしながら、今回、僕が 究極選曲 したこの一曲は、僕がジェフ・ベックに最初に打ちのめされた一曲だからだこそ、であります

1972年のジェフ・ベックは曲芸師的なるアクロバティック奏法の駆使はあっても、あくまで、バンドの枠に収まらざるを得ず、凄腕のあまりに鋭過ぎるギター弾きの領域に留まっている

が、バンド編成におけるジェフ・ベックの音源の中で、僕はこの一曲に猛烈に惹かれてしまう

乾いたブラックミュージックへの傾倒、ロックとR&Bの再構築の試み…

この距離感が僕には抜群にピッタリとハマってしまったのだ

参考:かなりディープなR&Bロック貼ります

田舎のレコード店でアルバイト、時給600円でやっとこさ貯めたバイト代で僕は第二期ジェフ・ベック・グループのアルバムを買い、僕は激しく打ち震えたのだっ

あぁ

これが、僕の求めている理想のバンドサウンドだ…と

黒人シンガーのボブ・テンチのソウルフルなる歌声に、コージー・パウエルのテクニカルなドラムス、さらに、マックス・ミドルトンのピアノがあい絡まりながら、単なるロックに収まらない境地に僕は打ちのめされたのだ

プロデュースはBooker T. & the M.G.'sのギタリスト、スティーブ・クロッパー

なるほど、後にわかったわけですが、かのオーティス・レディングやウィルソン・ピケット、サム&デイブらと創作活動をしてきたレジェンドがバックアップしていたわけ

だからこそ、そこらへんの、単なるロックとは一味も二味も違う濃ゆいブラックミュージックのニュアンスが抽出されているわけであります

渋い

かっこいい

魂を揺さぶられる

…が、アヴァンギャルドにして常に革新的なるレッド・ツェッペリンは遥か彼方に向かって飛び続けて行ってしまっていることに、ジェフ・ベックが悔しさを滲ませていた…⁇ のかどうかは、僕はわからない

けど、この第二期ジェフ・ベック・グループを解散させてしまい、より激しいハードロック路線の回帰してしまったから僕はそのように考えてしまう

いわば、第二期ジェフ・ベック・グループとは模索の時期なのだ

実はアルバムに二曲のギターインストゥルメンタルが収録されていて、後の泣きのギター確立、ジェフの代名詞「哀しみの恋人たち」へと繋がる萌芽も見られる

悶える天才ギタリストが模索と創造の苦悩の渦中で、ふいに立ち寄った、R&Bへの傾倒と接近、ロックとの融合の試み…は一瞬の奇蹟、とも言うべき、ロックの神さまの落としもの的ありがたみを僕は感じてしまうのだ

でも、こんな感じのややハードロックニュアンスのバンドとソウルフルなるR&Bサウンドの融合を果たしたバンドって、あまり思い浮かばない

ん〜

なくね⁇

オーティスやピケットに通じるハードロックバンドって、ないじゃん

そんなの、第二期ジェフ・ベック・グループだけじゃん‼︎

ストーンズ の初期にオーティスのカヴァーなんかやってるけど、ああいうのは単なるカヴァーでしかなくて、ロックとの実験的融合の果てに新しい音楽性を積極的に編み出そうとしているわけではないし…

ちなみに、第二期ジェフ・ベック・グループの1枚目もなかなか濃ゆいよ

ジェフのセルフプロデュースで、ブラックミュージックへの接近は感じられますが、やはり、2枚目の方が洗練されてますかな

さて、♫監獄ロック、♫レット・ミー・ラブ・ユー、♫モーニングデュー、♫ジョディ、♫ゴーイング・ダウン、♫哀しみの恋人たち、♫スキャッターブレイン、♫ウェア・アー・ユー…なんかと悩みました

ちなみに、僕は17歳の時、日比谷野音でジェフ・ベックのLIVEに行ってます

感動したなぁ

1989年だと思う

スティーブ・ルカサーやバットイングリッシュなんかと一緒にやったきたフェスティバルっぽいコンサートでした

震えたね

そうだ、アルバム「ギターショップ」が発売されてからのツアーだったなぁ

懐かしいなぁ

え〜⁈

もう31年前かい⁈


これ、1986年だけど、当時のジェフ・ベックが見られる貴重なる映像ね

せっかくだから、ジェフ1番の有名曲 ♫哀しみの恋人たち 貼りましたよ

こんな感じだった

孤高の天才ギタリストの足跡は本当に興味深かったし、探究心をくすぐられました

ギター小僧だった僕の青春は、まさに、ジェフ・ベックを足跡を探し求めることだったなぁ、と、今、改めて感じる

当時はヘビメタ全盛期、まわりはボンジョビやモトリーのマニアばっかし

でも、僕はストーンズ のカヴァーバンドでミック・テイラーのプレイを研究しながら、ひそかにジェフ・ベックのアクロバティック奏法にときめき続けていたのだ

かなりの時間を割いたけど、一曲もまともにコピーは出来なかったなぁ

あんなギタープレイを真似るなんて無理

…でも、当時は諦めたくかかったんだよねぇ

ん〜

すんごい頑張ったよ、我ながら

あ〜 ロックギターアルバムの金字塔「ブロウ・バイ・ブロウ」のフルアルバム見つけちゃいました

聴いたことない方、ぜひ、一聴を

衝撃を受けると思います

聴いてよ

バンドマンとしてはジミー・ペイジには勝てなかったけど、ギタリストとしてはジミー・ペイジを遥かに飛び越えた、と思える一枚であります

無限にして、夢幻なる孤高のギタリスト…

最高っ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ありがとうございましたっ

僕が「ロック少年」になれたのは、紛うことなきあなたがいてくれたから…です

安らかにお休みください

御愛読感謝