WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
チャンピオン パンヤ・プラダブシー
×
挑戦者9位 田中教仁
が
そのキレと技巧の差は如実に顕になってゆく
挑戦者のパンチが空を切り、チャンピオンの鋭い最短距離を貫くパンチがヒットする
その延々…が観ていて苦しくなる
田中選手、諦めない
手を休めず、左右を振るい続ける
が、パンヤは鋭くコンパクトなクリーンヒットを積み上げる
挑戦者のダメージが深まって行くのがわかる
が、挑戦者の気迫が追うことを辞めない
「夢」や「家族」や「仲間」や「支援者」や…
「期待されることのありがたみと喜び」が、その前進にさらなる拍車をかけている…のだと思う
しかし
チャンピオンは冷静にして正確無比なるカウンター戦法を貫き、そして、それは残酷なまでに功を奏して行く
…と
8ラウンド
チャンピオンのワンツーが挑戦者のガードを割って炸裂、一瞬、田中選手の視線が宙を泳いだ…ように見えた
その瞬時だった
挑戦者コーナーからセコンドがタオルを振りながらリングに駆け込んだ
そして
チャンピオンの前を通り抜け
三度目の正直を期した、38歳の挑戦者を抱き抱えたのだ
ギブアップ
だ
38歳の、「命懸けの愚直」に、終止符は打たれたのだ
タイで世界挑戦失敗の田中教仁が引退表明「この試合がラストです」中日スポーツ
> ボクシングのWBC世界ミニマム級タイトル戦が28日にタイ・ラヨーンで行われ、挑戦者で同級9位の田中教仁(38)=三迫=が王者パンヤ・プラダブシー(32)=タイ=に8回2分11秒TKOで敗れた。
試合開始直後に左フックでダウンを奪われながらも前へ出るボクシングを貫いたが、王者に左右フックや右ストレートを合わされ続け、ダメージが蓄積した8回に陣営が棄権した。
…記事によれば目に不調もあった、と
無理を強いた戦いだった、と
「鬼門」と呼ばれる敵地タイでの日本人選手の世界挑戦はこれで28連続失敗の「27敗1分」と記録を延ばしてしまった
また
敗れてしまった
テレビ中継もされず、メディアにも大きく扱われることもなく、タイの地で散った元日本チャンピオンの挑戦は終わってしまった
惜しかった…とは言えない
けど
その「意地と闘魂」はメラメラと燃え盛ったのを僕はしかと観た
かなり、かなり打たれた
が、最後まで怯まなかった
意識がふわっと遠のいた、その最後の一瞬まで、溶岩の如き熱量で燃え盛っていた
おつかれさまでした
まずは休養をしっかり取ってダメージを抜いてください
最後まで、立派に
駆け抜けた…と思う
御愛読感謝