「ボクシングやったことのねぇ奴が偉そうに語るな!!」…について | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

今日は、非常に興味深いテーマに挑みます…


「ボクシングやったことねぇ奴が、ボクシングを偉そうに語るな!!」


…であります。


これ、実は前からじっくり書いてみたかったんですよね… 


時折、そのようなメールを頂くことがあるので、今日はこれについて触れてみたいと思います。


で、僕がこの言葉をどう読み解くか…で、様々な例えを妄想したときに思い当たったのは、ちょっと下品ですがこんな感じでしょうか…?


「ソープランドに行ったことがねぇ奴が、ソープランドを偉そうに語るな!!」


で、さらに言えば…


「ファッションヘルスしか行ったことのねぇ奴が、ソープランドを偉そうに語るな!!」


で、その続きもあって…


「ピンサロにさえ行ったことがねぇやつが、ソープランドを偉そうに語るな!!」


で、もっと言っちゃえば…


「童貞のくせに、を偉そうに語るな!!」


…あの、解りづらいですかね?


風俗にもいろいろあって、それぞれ「内容」が違うものですから…


まぁ、女性には申し訳ないのですが、特にこの議論の多くは「男性×男性」が多いものですから、ちょっと思い切った表現にしてます…


つまり、この微妙な「違い」がお分かりになるかどうか…?すなわち、それぞれの言い方によって、「内容の段階と落差」が存在するわけでありますね…


その内容をちょっと補足すれば(あくまで例えですが)…


ソープランド:初めから最後まで  →プロボクサー経験がある

ファッションヘルス:最後の一線の手前まで  →アマチュア経験がある

ピンサロ:簡易的な最初まで  →練習等の経験がある

童貞:これはまぁ、未体験という意味  →観戦経験がある(見ているだけ)


怒られそうだな… なんだか…


しかし、がんばって続けますが、こんな風に別の形で考えたとき、なるほど…と、確かに感じる部分があるとは思いませんか?


つまり、この「経験深度」の違いは確かに「圧倒的」だと言える部分ある。


で、例えば、僕が時折受ける批判でありますが、「ボクシングやったことのねぇ奴が、ボクシングを偉そうに語るな」でありますが、僕はこの分類の中の「童貞」に当てはまるわけですが、まさにピッタリ…であります。


もう夜も眠れないくらい「女性」の存在を意識しているのに、その実態には触れたこともなく、しかし、「エロ本」や「エロDVD」をたくさん持っていて、それを糧に「自慰」に耽るような野郎…というわけであります。


どうですか?


惨めですねぇ…


自分で書いててなんだか、非常に悲しくなってくるわけですが、しかし、僕の根幹に存在する「ボクシング生観戦道」とは、上記分類の中に存在しない、特殊な概念かもしれない…


いや、全然、特殊なんかではないか…


それは「プロボクシング」なるものが、スポーツと呼ばれる一方で、「エンターテイメント性」を多分に孕み、その性質が「興行」と呼ばれる客商売である…という事実を見過ごしてはならないわけですが、これはちょっと置いておきますね…


で、僕への批判は恐らくは現役プロボクサーの方、あるいは、元プロボクサー、アマチュアボクサーの方々からの指摘であると思われるのですが、「殴られたこともないのに、痛みがわかるだなどと言うな!!」…という論理であると思われるわけですが、そりゃぁ学生時代の喧嘩以来、殴られたことなんかないし、殴ったこともないから「肉体的な痛み」は理解できていない…が、正解である。


さらに、リングという逃げ場のないロープに囲われた特殊空間で、「自分を殺そうとするほどの意気込みを持った男」と向き合ったことがないから、その「恐怖感」を理解できるといったら嘘になるでしょうね…


さて、いかがであろうか?


で、考える。


そのような批判をする方は、ボクシングをやったことのある人間にしか、ボクシングが解らない…と本当に思っているのでしょうか…?


また、多くのボクシングファンの存在をどのように考えているのであろうか?その大半が経験深度は別にして、「経験者」であると考えているのであろうか?


恐らくは、多くのボクシングファンが僕と同じ、すなわち、「童貞」である…


あの、怒らないでほしいのですが… 僕に言わせれば…


「金を払えば見せてやるし喜ばしてやるが、その内容を偉そうに語るんじゃねぇ」


というか、あるいは…


「何も解ってねぇんだから、金だけ払ってればいんだよ」


と、受け取れかねない…と、僕には聞こえる。


あのう、くれぐれもお断りさせていただきますが、問い合わせをいただいた一部の方への僕の気持ちであって、これはこの世界に存在する数多くのプロボクサー、あるいはボクサーの方々への批判ではないので、そこだけは重ねて補足させていただきますね…


では、ボクサーの「痛み」とか、「苦悩」と呼ばれるものを考える…


徹底的な鍛錬と体重制限の連続と言う自分との格闘、また、チケットでギャラ(ファイトマネー)で支払われ、なおかつ、それが想像以上に薄給であるという厳しい現実、さらに、運が悪ければ事故に遭うかもしれないという恐怖等…


これらの「リスク」や「厳しい現実」ですが、世間一般で働く一市民のそれとは確かに比べ物にならない…


だからこそ、僕は彼らを愛し、その素晴らしさを讃え、それをあますことなく受け止めたい…と考えている立場の人間でありますが、しかし、僕が「童貞」であるからそれが許せないという方が存在し、批判を浴びるわけですが、悲しくなりますが、がんばって続けさせてもらいます…


では、プロボクサーとはかくも「特別な存在」であるのか…?


プロ野球選手やサッカー選手よりも特別なのか…?


と、考えたとき、その答えは一般論的には当然「イコール」である…


でも、ファンにもそれぞれの立場や想いがあるから、どのスポーツの誰をどのように「特別視」するかは別問題であるともいえる。


で、僕は世界中のどのスポーツよりもボクシングが素晴らしいと考えているし、胸を張って「特別視」しているわけでありますね…


しかし、この徹底的な「特別視」が批判の対象になるのは正直悲しいですが、まぁ、しょうがないですねぇ…


僕はテレビ中継のない注目カードをよく生観戦に出かけて、その詳細を写真とともにアップして提供していますが、これらの「熱い戦い」をお伝えするために、自分なりの「評価」と「批評」を童貞なりの「観察眼」を駆使してお伝えしているわけですが、多分、これが気に入らないのかなぁ…って、考えるのですが、どうなのでしょうかね?


1R サウスポーAは距離感重視のボクサー型、これに対してオーソドックスのBはファイター型、その懐の深いAの長いジャブをかいくぐって至近距離で勝負したい… Aの右リードがBのガードをさっそく突き破る… が、気の強いB、まるでそれを意に介さずに激しいアタックを敢行… しかし、、ここは強打者Bを捌ききったAのラウンド A10-9


…みたいな表現をしますが、まぁ、楽しく感じていただくための僕なりの「工夫」ですが、こういうのが嫌なんですかねぇ?


さて、では、童貞である僕の目に映ったプロボクサーたちの戦う姿でありますが、これは「偽者」なのでありましょうか…?


僕の目に映ったAの右ジャブとBの猛進は、「虚像」なのでありましょうか…?


僕が圧倒的な有効打だと認めたAのカウンターの左ストレートは、「嘘」なのだろうか…?


悩ましいですねぇ…


では、「童貞のくせに偉そうに女を語るな」という論拠で僕を批判する彼を想う…


かつて、ボクサーであった彼が、僕を批判するその「心の奥底」には一体何が存在しているのであろうか…?


一体、どのような評価をされたいのだろうか…?


仮に、A選手というボクサーがいて、A選手の過去戦績が10W3KO3L…というものであったとして、僕が過去にそのA選手の試合を3試合見たことがあったとする…


僕はその生観戦した時のA選手の「成長」をどこに見つけるか…と、やっきになる。そして、「期待」と「不安」に胸を焦がす。そうだ、前の戦いは最終盤逆転を狙って攻め込んだところに強烈なカウンターを喰って跳ね返されたんだっけ… 悔しかったろうなぁ… 今日こそはだよなぁ… 絶対に負けたくないよなぁ… がんばってほしいなぁ… で、A選手のクリーンヒットに声を上げて叫ぶわけでありますが、これ以上の応援あるいは期待、さらに評価を求められたとき、僕はさすがに苦しくなる…


これでは足りないのかなぁ…と考える。


どうなんでしょうか…?


で、実は僕なりに可能な限り「ドラマチック」な形で、A選手の『魂』を捕らえようと試みるわけですが、これが僕の中の「ボクシング生観戦道」の真髄に当たる重要な部分であるわけですが、それは「技術論」や「優勢劣勢」にとどまらない、ボクサーにとって最も僕が美しいと感じる「何か」の抽出でありますね…


最近もっとも胸を打ち抜かれたのは…


08年4月に後楽園ホールで行われたガッツファイティング サーシャ・バクティン×本田秀伸での一瞬…


以下、そのR3の抜粋…


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3R 接近戦からサーシャの左ボディー(?)がカウンター気味に本田の腹をえぐった… 本田、コーナーに自ら背を預ける… 効いた…!! サーシャが追い討ちをかける!! 本田、背を丸めて全く動けない!! サーシャ、滅多打ち!!! この間、恐らく30秒~40秒(?)、本田は必死でダウンを拒み続けた… 恐らくはそのボディーが相当なダメージを及ぼし、地獄の責め苦となっていたのだろう… 良くぞ堪えた… あの本田が一歩も動けずに、ただ腰を折って耐えに耐えることしかできなかったのだ… 衝撃… というか、辛かったなぁ… ダウンシーンはなかったが、この計り知れないダメージはダウンに相当するものであった… サーシャ10-8


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…かつて世界挑戦を2度までも果たすも敗北、その再起戦でまさかの判定負けを喫した本田選手ですが、そのまさかの敗北の相手は今をときめくWBA世界スーパーフライ級チャンピオンの名城信男選手であり、一旦引退宣言するも、どうしてもリングに残した忘れ物を取りに戻りたいとさらに再起、ついに辿り着いたのは日本ボクシング界最高峰の技巧派ロシアンボクサー、サーシャ・バクティン選手との一戦…


かつてその防御技術は日本一いや、世界一と謳われた「ディフェンスマスター」本田選手、圧倒的不利予想で挑んだ勝負試合、そのR3でありますが、サーシャのボディー打ちにコーナーを背負い、「足がまるで動かなくなってしまった」あの一瞬…


本田選手、腹を両手でガードし、顔面を完全にさらす…


サーシャの武器はご存知のとおり、電光石火の超高速ワンツー!!


倒れませんでしたね… これをかろうじて動く範囲のボディーワークを駆使し、「地獄の責め苦」と呼ばれるジャストミートのボディー打ちの窮地を「執念」で凌いだわけですが、ここに、プロボクサーという存在の崇高を見たような気がしましたね…


試合は7Rにサーシャのストレートをまともに喰って膝から崩れ落ちた瞬間にタオルが投入されTKO負け…であったわけですが、このR3のあの「地獄の責め苦」からの意地の生還ですが、ここにボクサーとしての、いや、「人間・本田秀伸」としての『生き様』を僕は見たような気がしましたね…


また、もう一つ挙げれば、いつかの日本フライ級王座挑戦者決定戦における、当時の日本4位金城智哉×日本3位今宮祐介…の一戦でありますね。


これもその劇的な一瞬を抜粋します…


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最終8R この試合の勝者が日本王座に挑戦することが決まっているという運命のラウンドが開始された… その鋭さは全く衰えることを知らない金城の左ボディーに右ストレート、一方脅威のアタックをし続ける今宮だがダメージも蓄積しているはずなのに打って出る… ズバズバズバ… 金城の綺麗なコンビネーション!!! と、金城、手応えを感じたのか、今宮にとっても格好の距離で倒しにかかる…


両者の腕が激しく交錯する!!!


残り20秒ほど…


ズドン!!!!


まともにカウンターを喰って倒れたのは金城…!!!


場内騒然!!!


カウントが入る… 


うぉ… まさに、今宮の不屈の一発… ボクシング人生集大成ともいえる完璧な右フックカウンター…


金城、立ちあがるも目が虚ろ… レフェリーの再開の声も届かず、ぼんやりと電光掲示板を見ている… 今宮が突進する!!! 金城懸命のクリンチ…!!! 


効いてる…!!! 


残り10秒を切った…!!!


…試合終了のゴングが打ち鳴らされた。


8R 今宮10-8


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この場面でありますが、当時日本フライ級3位だった今宮選手、試合時の戦績ですが、「16勝4KO10敗」であったのですね…


この過去積み上げた10敗…と、栄光の日本タイトル挑戦権の陰影…


採点的には不利な最終8R、念願のタイトル挑戦に辿り着くには「KO」で勝たなくちゃいけない…


その、残り20秒で繰り出された、まさに、彼のこれまでの「ボクシング人生集大成」ともいえるようなまともに入ったカウンターパンチ…


かろうじて立ち上がった金城選手、足に来ている、完全に効いてる… 突進する今宮選手、クリンチでしのぐ金城選手…


残り10秒… 残り5秒… そして、試合終了を告げるゴング…


しかし、この試合を判定で勝利した金城選手ですが、次戦の日本フライ級暫定王座決定戦で無情にも五十嵐選手に敗れてしまう(これも本当にいい試合でしたが…)


で、僕の脳髄にはこの今宮選手の「意地のカウンター」と金城選手の流しても勝てる場面で果敢に完全勝利を掴みに行った「勇気の接近戦」…が脳髄に刻まれているわけですが、そして、今現在、五十嵐選手の巻いている暫定王者のベルトにも、「それ」は刻印されているのでありますね…


その「目に見えなくとも、しっかりと彫り刻まれた激闘の痕跡」に打ち震えるわけでありますね…


…で、本題に戻りますが、ボクシングの面白さとは何か?


と、改めて自分に問う…


技術と戦略を駆使した戦いの芸術性と激情はもちろんでありますが、究極的にはボクサーたちの魂と魂の戦いから溢れる「懸命」の発散であり、それこそはまさに「時を越えた存在」、すなわち、これを「永遠の一瞬」と呼びたい…


人間の生き様と呼ばれる何かの、もっとも「輝かしい証」、その「形」なのではないか…と、僕は考えているわけであります。


これが感動と呼ばれるものの正体、勇気と呼ばれるものの神々しさ…であると思うわけですね。


で、僕にはボクシングを語る資格がない…という指摘にお答えさせていただきます。


僕はボクシングを語っているのではなくて、この「永遠の一瞬」を探しているのだ…と。


ですので、僕に技術論や詳細データは期待しないでいただいてよろしいでしょうか…?


笑ってもらって構いません…


僕は大好きな女性を妄想しながらエロ本を凝視して自慰を繰り返す妄想童貞野郎…で構わないのです。


なんだよ、偉そうに語りやがって…なんて、それでも聞こえてきそうですが、もう僕はボクシング童貞だから、そのような指摘に関しては降参します。


でも、僕が見つけた「永遠の一瞬」だけは、いかなる批判も受け付けられません…


これが、僕の「ボクシング生観戦道」なのでありますから…


…って、今日は長々と書いちゃいましたが、久々に頭を使って疲れちゃいました。


そして、今夜も自慰に耽ることにします。


御愛読感謝


つづく