「ストイック」という言葉を呟く… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

ストイック…という言葉が前のエントリーのコメント欄に登場していたので、この言葉についてちょっとばかり…


今夜は激情に駈られて感情的になっちゃうかも…


今、当方ブログにおいて盛り上がっているのは皆様ご存知の通りの『亀田ジム承認議論』であります…


前科のある件の一家でありますが、反省するどころか、これがさらなる傍若無人をメキシコの地で発揮しているという疑惑あります…


また、ボクシング界から身を引くと宣言し、謝罪を断固拒否した父史郎氏が事実上実権を握るであろう彼らのジムを、これ、協会が承認するという方向にあるという報道を受け、熱心なボクシングマニア衆が『異議』を唱え、議論が続いています。


で、この亀田ジム承認の可否は8月11日に最終決定の審議が行われるそうです。


で、件の一家がこれほどまでに熱心なボクシングマニアから否定・批判される存在であるのか…と、頭を巡らせたとき、やはり、あまりにも『禍々しい虚像』に拒絶感を禁じえないから…ではないでしょうか?


で、改めて、この『ストイック』…という言葉を考えてみたい。


WBC世界バンタム級タイトルマッチ シリモンコン・ナコントンパークビュー×辰吉丈一郎


やはり、なんと言っても、このタイトルマッチが頭から離れない…


網膜剥離との戦い、そして、圧倒的不利予想を覆した奇蹟のボディーフック…


途中、意識も混濁、身体も泳ぐような状態に陥るも、しかし、辰吉選手、そのボクシング人生の集大成とも言える奇蹟のボディーフックに背中を丸めたチャンピオン・シリモンコン…


観客の想いと、辰吉選手の不屈の魂が、まさに、寸分違わぬ形で合致したこの瞬間ですが、これは数あるボクシング名場面の中でも特筆すべきモノであると思うのであります…


シリモンコンがボディを抱えて膝をついた瞬間の戦慄… そして、そのチャンスを逃すことなく全てを投げうってアタックをかけた辰吉選手のワンツー連打… 脳髄の奥で、必ず何かが弾ける名シーン…


WBA世界フライ級タイトルマッチ 大場政夫×チャチャイ・チオノイ


…伝説の名勝負、チャンピオン・大場選手、1Rいきなりクリーンヒットを浴び、ダウン、この際、右足首を捻ってしまう。立ち上がって再開するも、足の怪我は明らか、しかし、その不利を奇蹟の気迫で跳ね返し、なんと12R怒涛の連打ラッシュでチャチャイを粉砕してしまったわけですが、この壮絶、何度見ても魂が揺さぶられる…


WBA世界Jバンタム級タイトルマッチ 鬼塚 勝也 vs 李 炯哲


あの疑惑の戴冠と騒がれたタノムサクとの王座決定戦で世界王者となった鬼塚選手であったが、その後の防衛戦はどれも激戦… で、後に網膜剥離で目が病んでいたことを隠しながらリングに上がり続けていたことを告白したわけですが、この王座陥落となった最終9R…は、何度観ても堪らない…


滅多打ちにあいながらもダウンを絶対拒絶… 


足が完全に止まり、赤コーナーに詰まって防戦一方になりながらも、無意識の中で逆転を狙う諦めない空を切るパンチの軌道…


これもまた、胸が張り裂ける名シーン…だと僕は思う。


で、YOUTUBEでぱっと探せるものを幾つか拾い上げたわけですが、この時を超えて恐らく永遠永劫僕たちの脳髄を掻き毟る感動の名場面の奥にあるもの…


ある極限状態における、抜きさしならない魂と拳の交換、その残酷なまでに明確に線を引かれる勝敗のコントラスト…


ストイックの極地、無我の境地、自己実現への圧倒的渇望の凄まじき美しさ…


僕たちはこれらのボクシングの歴史を彩る「究極の戦い」たちの延長上で、今なお、生まれでようとする『新しいストイック』、『新しい境地』、『新しい自己実現』を欲し、求め、それを抱きしめたくて必死で、この欲求こそがボクシング愛の原動力であるのではなかろうか…?


僕の場合、さらにこのボクサー達の極限の果てに、それぞれのボクサーに透けて見える闘争心と闘魂の『質と核心』を想像し、妄想し、これを自らの自堕落惨めな実人生に取り込もうと熱心に生観戦を繰り返しているわけであります…


で、それらを培養・生成し、『生きるエネルギー』を抽出しようとする営みを、僕は『哲学』と呼び、何よりも貴重な存在として敬っているわけであります。


ストイック…と、呟いてみる。


で、その言葉の研ぎ澄まされた印象の前に、思わず恥ずかしさ…を憶えるわけですが、しかし、僕はボクサー達のそれに完全に打ちのめされ続け、もはや、禁断症状の出るような状態なのであります。


自分には全く縁がないように感じてしまうこの『ストイック』であるが、こんな僕でも、これらの名勝負たちの崇高なる極限的ボクサー達の頂点…と、件の一家の破格の捏造虚像を同じ土俵で語ることに対する嫌悪感を隠すことが出来ないのですが、これ、白状しますが本心であります。


許すとか、許さないとか、認めるとか、認めないとか…よりも、先に、こう感じてしまうわけです。


感動の次元が違う…


全く心に響いて来ないじゃないか…


と、感じる心にやはり嘘はつけない。


しかし、それでもなお、心のどこかで期待をしてしまったことを、正直を言えば「後悔」している…


いつか本当の感動を生んでくれるのではないか?


…でも、それはもう完全に辞めた。


僕は絶対に認めない。


僅かでも認めるということは、すなわち、件の一家のボクサーを過去の名王者たちと同列に扱うという意味が僅かでも生じる…ということであるが、それは出来ないし、やはり、ここは感情的だと批判されても、認められないものは認められないのである…と、言い切りたい。


今夜のエントリーはもう流れに身を任せて書いちゃってますので、ちょっと理性を失っている部分あると思いますが、まぁ、ご勘弁ください。


私生活でもいろいろあるものですから…(何の言い訳でしょうか?)


さて、まだまだ例の亀田ジム協会承認議論は続いております…


謎の論客、「no name」さん、また登場して貰っております。そして、さらにさらに常連の皆様の「理性的・建設的」なご意見はより一層膨らみ続けております…


凄まじいです…


この議論は読まねば絶対に損しますよ。


「亀田興×モンテ」と業界に物申す!!   


「亀田ジム協会承認」議論


続「亀田ジム協会承認」議論


続・続「亀田ジム協会承認」議論…


今夜は感情に流されたhigege91…ですが、はやり、激情に流される性格なので、同じ失敗ばかり繰り返してしまうのかなぁ…と、反省する日々であります。


御愛読感謝


つづく